「空気を読まない人」ほど高く評価されるワケ 抱え込んでしまっては、いい結果は残せない

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IQの高い人たちや、世界で評価され、活躍しているビジネスパーソンには、実は空気が読めない人が多いようです(写真:HIME&HINA/PIXTA)
IQの高い人たちや、世界で評価され、活躍しているビジネスパーソンなど、世界のさまざまな「頭のいい人」の姿を見てきたという脳科学者の中野信子さん。「頭のいい人」たちがやっている習慣術について、中野さんの最新刊『世界の「頭のいい人」がやっていることを1冊にまとめてみた』より一部抜粋、再構成し、お届けします。

「頭のいい人」とはどんな人か

みなさんは「頭のいい人」というと、どんなイメージを思い浮かべるでしょうか。成績優秀、頭の回転が速い、知識が豊富など、人によっていろいろな答えがあると思います。ここでは、私が出会ってきた人たちの中から、私の思う「本当に頭のいい人」について、お話ししたいと思います。

私は、東京大学を卒業し、大学院で医学博士号を取得した後、フランス国立研究所にポスドク(博士課程修了の研究者)として勤務していました。また、どんな面白い人が集うサークルなのかという興味本位で、MENSA(世界の全人口で上位2%の知能指数に入る人のみが入会を許される団体)の会員になったりもしました。そのような中で、IQの高い人たちや、世界で評価され、活躍しているビジネスパーソンなど、世界のさまざまな「頭のいい人」の姿を見ることができました。

たくさんの世界レベルの人たちに出会い、そこから私が得た結論は、「『世界で通用する頭のいい人』というのは、ただの秀才ではない」ということです。例えば彼らは、「空気を読まない」「敵を味方にする」「ストレスを自分に与える」など、ちょっと非常識だったり一見大人げないことをしてみたりすることで、周りを自分のペースに巻き込んでいく力を持っています。

実はこうしたことは、彼らのように優秀な頭脳を持つ人だけにしかできないことではありません。ちょっと練習は必要かもしれませんが、簡単なコツやテクニックで習得できるものです。頭のいい悪いは関係ありません。少し意識を変えるだけで、誰にでも今日からできることなのです。

ちょっと前に「KY(空気が読めない)」なんて言葉がはやっていたことがありましたよね。周りと歩調を合わせるのを美徳とする、日本人らしい風潮かもしれません。確かに、他人を気遣うのはすばらしいこと。でも、世界で活躍している人には、実はKYの人が多いのも事実です。

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