命のSOS「学校に行きたくない」が持つ大きな意味 「不登校新聞」が緊急アピールする理由
2021年上半期の子どもの自殺は、過去最多だった2020年上半期を上まわるペースで起きています。今年6月、「厚生労働大臣指定法人いのち支える自殺対策推進センター」が公表した調査結果によると、ネット上で「学校 行きたくない」というワードの検索数が増加したあと、子どもの自殺者数が増加したという関連性が判明しました。
依然としてつづくコロナ禍において、「学校へ行きたくないは命に関わるSOS」として、NPO法人全国不登校新聞社は子どもにかかわるすべての大人に対し、「緊急アピール」を発信します。
緊急アピールを出す背景
◎過去最多の前年を上回る小中高生の自殺が起きているため
2020年、小中高生の自殺が過去最多になりました。月別で見るとピークであった8月の自殺者数は前年から比べると、ほぼ倍増しています(34人→65人)。
増加の背景として、文科省の有識者会議は「コロナ禍の影響」も指摘しています。また、国立成育医療研究センターのアンケート調査によれば、4人に1人の子どもに中程度以上のうつ症状が見られたとのことです(思春期のうつ症状の重症度尺度PHQ-A)。さらに、2021年上半期の小中高生の自殺者数を見ると、昨年を上回る水準で推移していることもわかりました。
◎「学校 行きたくない」と子ども自殺の関連性が判明
一方、自殺防止に向けて、その兆候をつかむヒントとなる調査結果も出ました。「厚生労働大臣指定法人いのち支える自殺対策推進センター」が今年6月に公表した分析結果です。
調査によれば、ネット上で「学校 行きたくない」というワードの検索数が増加したあと、子どもの自殺者数が増加したという関連性が判明しました。この調査結果は、23年間、不登校を取材してきた弊紙の実感に沿う、説得力のあるものでした。