ワイドショーなどが報じている入院できない人もいるが、入院した人もいる。また、病床使用率が高い地域でも、タイミング(運)、人脈、お金など、さまざまな要素があって入院できるか、できないかに分かれている。芸能人でもなかなか入院できなかった人が何人かいたことも含めて、そう考えるのが自然です。
タイミング(運)以外の人脈やお金に関しても、所属事務所や綾瀬さんが批判される理由として適切とは言えません。もし憶測や思い込みの通り、所属事務所が人脈やお金を使って入院先を手配したとしても、それは企業努力であり、優れた危機管理によるものに過ぎないのです。
綾瀬さん本人に目を向けても、これまでの頑張りや実績、現在の人気やスキルによるところが大きく、それが危機的状況のときに生かされたというだけ。ずるいことをしたわけでも、罪を犯したわけでもありません。
こういうとき高所得者は叩かれがちですが、彼らは日ごろお金を得ている分、税金や社会保険料を多めに支払わなければならない立場でもあります。平等・公平を保つために、全体で支え合ってバランスを取る仕組みがあって資本主義社会は機能しています。
憶測や思い込みに話を戻すと、バッシングの声をあげている人々は、綾瀬さんの病状がわかっていないはずです。さらに、どれだけ苦しい思いをしているのかもわからない。もしかしたら言わずにいる基礎疾患などがあるかもしれない……そんなわからないことだらけであるにもかかわらず、入院しただけでバッシングしてしまうのは、あまりに短絡的すぎるのです。
政治家への不信が芸能人に飛び火
最後に、批判の声をあげる人たちが掲げる平等・公平について、もう少し掘り下げてみましょう。
国や自治体が人々の命を平等・公平に扱うのは当然であり、これは守られるべきこと。しかし、個人としては平等・公平ではなく、自分や大切な人の命を優先し、そのために努力することも当然であり、守られるべき権利でしょう。とりわけ綾瀬さんのような多くの人々の生活にかかわる重要人物なら、その命を守ろうと力を尽くす人がいるのは当然です。
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