そもそも所属事務所が綾瀬さんの入院を発表したのは、人々が“入院”というフレーズに過剰反応する最悪のタイミングでした。これまで感染を発表した大半の芸能人は、「PCR検査を行った経緯(発熱、テレビ出演の際、濃厚接触者だから)」「陽性が確認された日付」「保健所・医療機関の指示に基づいて治療していくこと」の3点をつづっています。
綾瀬さんもすぐに発表していればその3点だけでOKでした。その後、入院したとしても、仕事の事情さえなければわざわざ発表する必要性はなく、現在のようなバッシングは避けられたのではないでしょうか。たとえば、何らかの不祥事ならすべてを正直に明かすことが危機管理の鉄則ですが、コロナ感染は誰にでも起こりうることであり、もちろん悪いことではありません。
もし週刊誌などに「実は入院していた」などと報じられたとしても、ただ明かしていなかっただけで「隠蔽」というイメージは持たれないでしょう。何より、人々が“入院”というフレーズに過剰反応している最悪のタイミングを避けられたことは間違いないのです。
コロナに感染した芸能人のコメントで「現在は自宅療養中」という記述がない人は、入院している可能性もありえるでしょう。もしそうだとしても決して嘘をついているわけではなく、必要最低限の発表をしているだけに過ぎないのです。
批判の前提は臆測と思い込み
では「芸能人がコロナ感染で入院した」ことに対するバッシングはどう見ればいいのでしょうか。
まず前提として忘れてはいけないのは、「批判のほとんどが憶測や思い込みに基づいている」こと。「綾瀬さんが芸能人だから入院できた」も、「一般人は入院できない人ばかり」も、信ぴょう性に欠けるところがあります。たとえば、これを書いている私の周囲だけでも「すぐに入院できた」という一般人の事例を4人も聞いていますし、同じことが日本全国にありえるでしょう。
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