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うまい投資話に乗る人がこうも後を絶たない理由 元本保証・高リターン信じる人に欠けた思考法

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  • 森永 康平 マネネCEO/経済アナリスト
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2つ目のケースはUSBメモリーに入っている投資システムを利用すれば儲かるというケースだ。これは特に大学生の間で流行っているのだが、この詐欺の場合は日経平均先物やFX、バイナリーオプションという投資手法の名前がよく出てくる。さすがにこのケースでは元本保証は提示されないが、やはり高い確率で相当な勝率を残せるというセールストークがなされるようだ。

これらの詐欺はタチが悪く、いわゆるネズミ講の仕組みも持っている。自分が出資したり、USBメモリーを買ったりした後に騙されたと気づいても、何人かを勧誘すれば、キックバックによって支払った金額が回収できるのだ。

実際の数字で計算をしてみる

たしかに、元本が保証されていて、非常に高い利回りが約束されていると言われたら気持ちが揺らぐのもわからなくはない。まして、知人や友人から勧誘されれば、ついつい警戒感も薄れてしまうだろう。しかし、そういう時は実際の数字を使って計算してみてほしい。

例えば、元本保証されていて、毎月出資金の10%が配当として払い出されるという冒頭のケースを考えてみよう。手数料や税金などの細かい話は抜きにしてシンプルに考える。仮に10万円を出資した場合、翌月から1万円が配当として口座に振り込まれる訳だから、10カ月経てばすでに配当だけで元本を回収したことになる。

冒頭のケースがどのような契約になっているかはわからないが、仮に出資金を引き出せるのであれば、10カ月後には元本の10万円と配当の累計10万円で合計20万円となるから、この投資はたった10カ月で2倍に増やせたということになる。

また、「月利5%」という条件が提示されることもよくあるが、なんとなく「5%ぐらいか」と思ってしまうかもしれないが、実際に計算をしてみれば「月利5%」がとんでもない条件ということがわかる。例えば10万円を投資すれば1年後には約18万円、2年後には約32万円になる。つまり、たったの2年で投資資金が3倍以上になるのだ。

ちなみに、預金保険制度(※)によって元本1000万円までと利息が保証されている銀行の定期預金の年利は、ネットバンクの高いところで0.1~0.2%、メガバンクだと0.002%だ。「元本保証の月利5%」がいかに大きな数字か少し冷静になって考えてほしい。

(※)預金保険制度:万が一、金融機関が破綻した場合でも、利息のつく普通預金、定期預金、定期積金、元本補てん契約のある金銭信託、金融債(保護預り専用商品に限る)などについては、1金融機関につき預金者1人当たり「元本1000万円までと破綻日までの利息等」が保護されます。

元本保証されていて、かつこれだけのリターンが本当に実現するのであれば、わざわざあなたに営業をせずとも、世界中から資金が集まってきて、すぐに数千億円、数兆円が集まるのだから、やはりこんなおいしい話がある訳はないのだ。

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【シンプルに考えてみよう】

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