アジアのカジノ市場、その突出した成長力

フィリピンでIRの建設ラッシュが始まった

アジア各国のカジノ市場規模(2013年)は、トップのマカオ(中国)が4.5兆円、2位のシンガポールが6000億円、3位のオーストラリアが3500億円、4位の韓国が2700億円、5位のフィリピンが2000億円、6位のマレーシアが1800億円です。

現時点の市場規模ではシンガポールに続く国は、オーストラリア、韓国ですが、それぞれ相対的にカジノ産業の歴史は長く、安定した市場です。オーストラリアでは1990年代中盤に代表する施設群(メルボルンのCrown Casino and Entertainment Complex、シドニーのThe Star Sydney Casino & Hotel)が開業しました。韓国を代表する施設群の開業時期は、Paradise Walker-Hill Casinoが1968年と古く、Kangwon Landが2000年、ソウルのSeven Luck Casinoが2005年です。

現在、マカオを除けば、IRの開発が最も活発化している国はフィリピンです。フィリピンでは2011年に第1号のIRとしてResorts World Manilaが開業しました。その後、マニラ湾カジノリゾート・プロジェクトが進展中です。同プロジェクトは約85ヘクタールの埋め立て地に4つのIRを集積させるプロジェクトであり、4つのIR合計の投資額は5000億円レベルです。2013年3月にSolaire Manilaが開業し、2014年にはCity of Dreams Manila、2015年にはManila Bay Resorts、2016年にはResorts World Bayshoreが開業予定です。Resorts World Manila、Solaire Manilaとも業績は順調であり、今後、開業予定の施設群も収支見通しは強気です。

ウラジオストックでもIRを建設

フィリピン以外では、ベトナム、韓国、スリランカ、ロシアのウラジオストック、カンボジアのシアヌークビルなどにIR開発計画があります。また、台湾もIR実現の動きを継続しています。ベトナムのThe Grand Ho Tram Stripは総予算42億ドル、総開発期間8~10年の大規模プロジェクトであり、2013年7月に第1フェーズが開業しました。韓国ではCaesars Entertainment、Genting Singaporeがそれぞれ不動産開発業者と合弁で、総額20億ドル強のIR開発を進める予定です。

ウラジオストックではMelco International Development(Melco Crown Entertainmentの大株主)、カンボジアのNaga Corpが開発を進める方向です。しかし、フィリピンを除く、これら国々のプロジェクトは総じて事業採算性は楽観視できません。ベトナム、韓国のカジノ施設は外国人専用です(内国人は入場できない)。カンボジア、ウラジオストックの地元民のカジノ市場規模は限定的です。それぞれの施設は外国人訪問者に収益を依存せざるをえないプロジェクトであり、当初より、厳しい国際競争に直面することになります。

カジノの市場規模を決定する要素は、①エリアの個人金融資産量、②集客力(アクセスのよさ、アトラクションの強さ)、です。これに、③事業者数、を考慮すれば、事業者当たりの収益性を把握できます。単純化すれば、カジノ事業者の利益は「個人金融資産量/カジノ施設数」、すなわち「カジノ1施設当たり平均の個人金融資産量」で推定できます。個人金融資産の量に対して、中央政府が施設数を適正にコントロールすれば、カジノ事業者は十分な利益を確保できることになります。

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