アジア各国の有力カジノ事業者は一様に高収益を享受しています。マカオ、シンガポールを除く国のトップ事業者の営業利益(2013年)をみると、韓国のKangwon Landは388億円、フィリピンのTravellers International Hotel Groupは109億円、カンボジアのNagaCorpは147億円、マレーシアのGenting Malaysiaは586億円、オーストラリアのCrownは547億円、ニュージーランドのSky City Entertainmentは190億円であり、売上高利益率も高水準です。
前記のフィリピンのIR開発会社のうち、Travellers International Hotel Group(Resorts World Manila、Resorts World Bayshoreを所有)に加え、Bloomberry Resorts Corporation(Solaire Manilaを所有)、Melco Crown Philippines Resorts(City of Dreams Manilaを所有)も株式を上場しています。現時点ではそれぞれ開業直後、あるいは前であり、業績数値は不安定ですが、2015年の営業利益は3社とも200億~250億円レベルが予想されています。
マカオ、シンガポールの営業利益(2013年実績)は、マカオのコンセッション保有6社計が約7500億円、シンガポールの2施設の運営会社計(Marina Bay Sands、Resorts World Sentosa)が約2000億円です。
欧米のカジノ事業者(上場企業)のうち、営業利益(2013年)が300億円を超過したのはLas Vegas Sands、Wynn Resorts、MGM Resorts Internationalの3社のみです。この3社の営業利益の約9割はマカオ、シンガポールの子会社に起因しています。
米国のカジノ業界が過当競争に陥り、欧州のカジノ市場と事業者が小粒である状況下、アジアのカジノ事業者の利益は世界を圧倒しているわけです。
日本は、世界の序列を塗り替える潜在力
日本は単一大型経済圏で、島国であるために国際競争の影響を受けにくく、中央政府が施設数をコントロールします。事業者はほぼ確実かつ永続的に莫大な利益を確保できる見通しです。関東、関西それぞれ一施設ずつ構築した場合、2施設計の営業利益は保守的に見積もっても年間3000億円レベルと世界最大級が予想されます。
世界のカジノ新市場においても日本は別格です。世界の事業者の序列を塗り替えるポテンシャルがあります。それゆえに、米国勢、アジア勢などがこぞって日本に売り込みをかけているわけです。逆に言えば、日本資本の事業者(コンソーシアム)がしっかりと日本のIR、カジノを主導すれば、その時点で、その事業者は一気に世界トップクラスの仲間入りを果たすことになります。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら