韓日合弁が乗り出すカジノリゾートの勝算 <動画>パラダイス・セガサミーのCEOに聞く
「パラダイス・シティは、韓国初の統合リゾート(IR)であるというところに意味があります。統合リゾートとはカジノ、ホテル、小売、その他のエンターテイメント施設がそろったリゾートのことです。韓国のカジノ産業を見てみるとほとんどがホテル内にあるのですが、ホテルそのものはカジノ向けに作られていません」
「ですがパラダイス・シティはカジノビジネスのために作られる施設です。それをどのように実現するかという課題はありますが、個人的にはそう多くの問題があるとは思っていません。なぜなら今すぐそこに中国という市場があるからで、マカオ市場も過去10年間成長を見せています。また位置的にも大変良く、仁川には非常に人気の高い空港があって、8年連続でベストエアポート賞を受賞しています。なお、仁川とソウルの周りにコンパスを使って円を描いてみると、世界人口の3分の1が仁川から遠くない場所に住んでいます。ですからフライト2時間半の圏内を潜在的市場として見ているのです。このことから、今回のビジネスは成功すると強く確信しています」
韓国は今、大変にホットな場所
――中国人のギャンブル客がマカオやシンガポールなどでなく仁川を訪れることについて、どれほど自信がありますか。
「中国人が仁川に来るかもしれない、あるいは来てくれる理由はいくつかあります。一つは先ほど申し上げたように距離的に近いことです。中国東部あるいは北東部に住む方にとってマカオはここよりも遠いですし、シンガポールやラスベガスはなおさらです。ですからソウルや仁川に来る方がずっと楽です。また、申し上げたように、仁川とソウルには空港がありますので非常に便利な街です」
「最後に、まだここまでお話していませんでしたが、韓国は今大変にホットな場所なのです。韓国にはコンテンツがあります。つまりK-Popや韓流ドラマ、韓流映画があり、さらに韓国美容、韓国料理などにもその範囲を広げることができます。中国の富裕層に提供するメインのコンテンツは韓国文化です。こうしたことから、私どもの統合リゾートは韓国スタイルになるので韓流統合リゾート、K.I.R(Korean integrated resort)と呼んでいます。富裕層に来ていただけるとても魅力的なコンテンツになるはずです。私どもは現在、こうした総合リゾートを開くことのできる国内唯一の企業で、そのリゾートは韓国スタイルにしたいと考えています。私どもがこれを最初に行えば、Ceasarsなどの外資系が入って同じことをする余地はなくなると考えます。パラダイス・シティは大規模カジノです」
「韓国にあるカジノはどれも非常に小規模なブティックスタイルで、そのようなものはマカオやラスベガスにはありません。非常に小さい。ここが中国人旅行者にとって大事なところで、彼らはマカオで見たような大規模なカジノが見たいのです。今度提供するのは全く違うものになります。パラダイス・シティのカジノに足を踏み入れれば、マカオやラスベガスで見たような雰囲気を感じることでしょう。マカオのVIP客と韓国のVIP客には違いがあり、現在のところ韓国のVIP客はマカオのVIP客の下層レベルだと言えます。ですから高単価なお客様は大量には韓国に来ません。こうしたお客様を呼び込むために、韓国に来ていただくために、よりよい設備、大規模なカジノが必要なのです」
日本のカジノ開設は長期的にはプラス効果
――日本のカジノ合法化はどのような影響を与えるでしょうか。
「日本はギャンブリング市場にとって非常に競合の激しいところだと思っています。すでにパチンコビジネスという国内市場があるからです。日本にはまた旅行産業もあります。ただし最近地震があったため、一般的に、特に中国人にとって日本は旅行先として好まれていません」
「日本でカジノがオープンすれば、私どもにも短期的な影響を及ぼしてくるでしょう。しかし、長期的には、日本にカジノが開かれると顧客数が増え、つまりカジノを経験したことのある人口が増えるということになります。カジノを始めることで日本人がギャンブルを行うカジノの顧客になったら、色々なところに行きたいと思うようになります。ある一か所だけに行くということはありません。外国に行きたくなり、新しい所に行きたくなるのです。このことが、私どもの顧客基盤を広げることになり、そのことによって市場はさらに大きく成長するのです」
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