日本の親が言う「人に迷惑をかけないで」の大弊害 曖昧な「迷惑基準」が子どもへの"呪い"になる

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実は、以前は私も「迷惑」という言葉を使っていました。でも育児をしていくうちにだんだん違和感を感じるようになって、なるべく使わないようになっていったのです。

だって、育児をしていて、まわりにまったく迷惑をかけないなんて不可能だから。子どもが子どもらしく生きていて、まわりにまったく迷惑かけないなんて不可能だから。そして内容によっては、それを「迷惑」という言葉でくくるのは違うんじゃないかな?と考えるようになったからです。

「迷惑をかけない」基準で動くことの弊害

実際、日本社会には「迷惑をかけないようにする」を基準にして、気を使い、忖度してまわっている部分がたくさんあります。

たとえば、「有給があっても使えない」「男性の育休制度内容は世界トップレベルなのに取得する人が少ない」「ワンオペ育児が苦しいけど家族に遠慮して我慢している人が多い」などの問題があります。自分の主張を言えないままに、心を病んだり、自死する人もたくさんいます。

こういう悪しき文化を断ち切るためには、「迷惑」という言葉を使わないで子育てするのが、実はめぐりめぐって大事なのではないかな?と考えるようになったのです。

そんなわけで、私が言い方で気をつけていることをまとめると、

・「迷惑」という言葉はなるべく使わない

・やってはいけないことは具体的に伝える

・「まわりに怒られるよ」という言い方ではなく「私の意見」「場所のルール」として伝える

・とはいえ、「私の意見」も「場所のルール」も絶対でも完璧でもないということも伝えておく

私たちが苦しいな、と思っている社会の悪い部分に、子どもが縛られて苦しくならないといいなと切に祈る今日このごろです。

というわけで、今回のつかれない家族になるヒントは……

人の目を気にする生活につかれた……

「本当にそれって迷惑?」を一度考えてみよう。
そして、せめて子どもは「迷惑の呪縛」から解放してあげよう。
この連載にはサブ・コミュニティ「バル・ハラユキ」があります。ハラユキさんと夫婦の問題について語り合ってみませんか? 詳細はこちらから。
ハラユキ イラストレーター、コミックエッセイスト

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はらゆき / Harayuki

雑誌、書籍、広告、Webなどの媒体で執筆しつつ、コミックエッセイの著書も出版。2017年から約2年間バルセロナに住んだことをきっかけに、海外取材もスタートさせる。著書に『女子が踊れば!』 (幻冬舎)、『王子と赤ちゃん』(講談社)、『オラ!スペイン旅ごはん』(イースト・プレス)、この連載を書籍化した『ほしいのはつかれない家族』(講談社)など。この連載のオンライン・コミュニティ「バル・ハラユキ」も主宰し「つかれない家族をつくる方法」を日々探求、発信中。ハラユキさんのHPはこちら

 

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