美容サロンも「FREE」の時代に?《それゆけ!カナモリさん》
その問題を解決するには、AMTULというモデルを用いるとよい。A(Awareness:認知)→M(Memory:記憶)→T(Trial:試用)→U(Usage:日常利用)→L(Loyal:ファン化)である。
田谷の展開をAMTULで考えてみよう。
A→M→Tまでの新規来店促進施策は通常とあまり変わらないかもしれない。しかし、その後の再来店促進の施策を前提にするなら、「2週間無料相談&再施術・ヘアセットサービス」などを打ち出して新規獲得にも貢献することも可能だろう。顧客としては「お試し(T)」的に初回利用をする。そして、その場で「2週間無料相談&再施術・ヘアセットサービス」の説明を受ける。
仕上がりに問題がなかったとしても無料であれば、相談とセットを試そうと思う顧客は多いだろう。通常のサロンに比べれば、顧客との接触頻度は倍に上がる。接触のたびに微に入り細を穿つような施術・相談・サービスを繰り返すことによって、U→Lという段階を経て顧客のロイヤルティーを獲得することができるのである。
通信販売業界などでは「RFM」という指標が用いられている。
R:Recency=最新購買日:どれくらい最近に購入しているか、F:Frequency=累計購買回数:どのくらいの頻度で購入しているか、M:Monetary=累計購買金額:全部でいくら購入しているかである。RFMはそれらをポイント化して、顧客がどれくらい自社の利益に貢献してくれているかを把握する顧客管理手法である。
田谷の再来店施策は、無料サービスの利用であるため、正確には上記のR:Recencyにはならないが、来店間隔を短くする効果を上げているのは間違いない。結果として、F:Frequency、M:Monetaryを高めることにもなる。