美容サロンも「FREE」の時代に?《それゆけ!カナモリさん》
■TAYAが取り組むFREEとは
「お願いしまぁ~す!」。美容サロンの若いスタッフが来店促進のビラを配布する、おなじみの駅前や街中の風景だ。新規顧客の来店ばかりを狙っているように見える美容業界で、従来にない再来店促進の施策を始めたサロンがある。東証一部上場企業でもある大手、株式会社田谷(→企業情報の詳細・株価)だ。TAYA、TAYA&CO.、TAYA blue label、TAYA INTERNATIONALなどを展開する株式会社田谷は、従来にない再来店促進策を6月上旬から展開するようだ。
「施術後2週間、髪形を無料診断、田谷、リピーター呼び込む」(5月28日付日経MJ)
記事によれば、同社の主力であるTAYAなど全国114店舗で、パーマやカラーの施術後、ヘアスタイルを無料で診断するサービスを開始し、髪形が好みに合っていなければ、パーマなどの再施術をするという。
それだけなら何も珍しいことではない。筆者もカラーを利用していたときに、色の入り方がどうにも気に入らなくて通っているサロンでやり直してもらったこともある。しかし、あくまでそれは「クレーム対応」のような消極的サービスに過ぎない。
記事にある、パーマやカラーは髪になじむまでに時間がかかるため、施術から数日後の状態をチェックすることでより効果的なアドバイスができるというコメントにあるように、同社のサービスは、再施術や再来店を積極的に呼び込んでいる点に特徴がある。しかもそれは再施術だけではない。新しい髪形の効果的なセットの仕方などの相談や「外出する前にシャンプーとブローで髪形を整えてほしい」といった要望にも対応するというサービスまで、施術後2週間以内なら提供するのだという。
冒頭に記した美容サロンにおなじみの、新規顧客獲得施策とは一線を画すこの取り組みには大きな意義がある。
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