夏休み明けに「不登校」娘の選択を認めた母の葛藤 「中学行かない宣言」にも「わかった」と一言

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

「中学行かない宣言」をしてからは、娘は学校のプレッシャーから解放されたようで、穏やかに家ですごすことが多くなりました。だんだんと本人にエネルギーが溜まってきたのか、その後は無事に体調も回復して、外に1人で出かけたりカウンセラーさんのすすめでフリースクールに顔を出したりすることもありました。中学卒業後は、通信制高校に進学して、そのまま通いきりました。

周囲のサポートと言葉のおかげ

――お母さんも含めて開き直れたことが、転機だったかもしれませんね。

そうですね。私が開き直れたのは、まわりの人のサポートのおかげでもあります。心理学の知識がある知人が「大丈夫だよ」と声をかけ続けてくれたことやアドバイスをくれたこと。スクールカウンセラーさんや病院の先生が私の不安や悩みを聞いてくれたことも大きかったです。まわりの支えがなければ、もっとヒステリックになって娘に当たっていたかもしれないし、「学校へ行きなさい」と言っていたかもしれません。

あるカウンセラーの先生が「ここに来ている子たちは、100点取ろうと思ってがんばっている子たちなんですよ。だけど、50点でもいいじゃないですか」と私に言ったことが今も心に残っています。なぜなら、私自身がそれまでは100点を取らなきゃとか100点を目指していくのがふつうだと思っていたタイプだったからです。自分に対してはもちろん、もしかしたら娘に対しても100点を求めていた部分があったかもしれません。だからこそ、ハッとさせられましたし、先生の言葉が心にストンと落ちてきました。

まわりの人の言葉だったり、娘の気持ちを理解することだったりを通して、私自身の価値観が変わったのだと思います。だからこそ、開き直れたのだろうなと思いますね。

まっすぐじゃなくても寄り道してもいいし、人生を歩むのはどんな方法でもいいじゃないかと今は思っています。みんなのあたりまえや100点じゃなくて、もっと幅もあっていいし、いろんなかたちがあっていいじゃないと。こうあるべきとかこうするべきが、私のなかでよい意味でゆるくなったというか、そんなものなくてもいいんだなと思うようになりました。この価値観は、娘の不登校を経験するまでは私のなかにはなかったものですし、不登校を経験しないと持てないものだったのかなと思います。

――ありがとうございました。

(聞き手・遠藤ゆか)

不登校の関連記事
小2の娘が休校明けに登校しぶり。親を追い詰めた言葉、救った言葉
「無理やり行かせたほうが恨むよ 」小1で不登校した息子と母の思い
9人家族の私たちが学校に頼らず「ホームスクール」を始めた理由

不登校新聞

日本で唯一の不登校専門紙です。不登校新聞の特徴は、不登校・ひきこもり本人の声が充実していることです。これまで1000人以上の、不登校・ひきこもりの当事者・経験者が登場しました。

また、不登校、いじめ、ひきこもりに関するニュース、学校外の居場所情報、相談先となる親の会情報、識者・文化人のインタビューなども掲載されています。紙面はすべて「親はどう支えればいいの?」という疑問点から出発していると言えます。

公式HP 

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事