コロナ禍「温室効果ガス5%削減」が意味すること ビル・ゲイツ氏が語るネットゼロへの取り組み
新型コロナの惨状は驚きではない
2020年、新型コロナウイルスが世界中に広がって、大きな被害が生じた。パンデミックの歴史を知る者には、COVID–19による惨状は驚きではない。僕は長年、国際保健への関心の一環として爆発的感染について学んでいて、数千万人の死者が出た1918年のスペイン風邪のようなパンデミックに対処する備えがないことを深く懸念していた。
そして2015年にはTEDやいくつかのインタビューで、爆発的感染を発見してそれに対処する仕組みをつくる必要があると論じてもいた。元アメリカ大統領のジョージ・W・ブッシュらも同様の主張をしている。
残念ながら世界はほとんど備えを整えず、新型コロナウイルスに襲われると多くの死者が出て、経済も大恐慌以来の打撃を受けた。気候変動関連の仕事も大部分はつづけていたが、メリンダ(・ゲイツ氏)と僕はCOVID –19をビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団の最優先課題とし、僕たち自身の仕事の焦点をそこに合わせることにした。そして毎日、大学や小規模企業の科学者、製薬会社のCEO、政府首脳らと話をして、検査、治療、ワクチン開発に弾みをつけるために財団が手助けできる方法を探ってきた。
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