コロナ禍「温室効果ガス5%削減」が意味すること ビル・ゲイツ氏が語るネットゼロへの取り組み
2020年に僕は持続可能なジェット燃料を購入するようになり、2021年には家族が飛行機で移動する際の二酸化炭素排出を完全に相殺できる見込みだ。飛行機以外の排出分については、空気から二酸化炭素を除去する施設を運営する企業から排出権を購入している。また、中・低所得者向け住宅を改修してクリーンなエネルギーを使えるようにするシカゴの非営利団体を支援してもいる。ほかにも、僕自身のカーボン・フットプリントを減らす方法を模索しつづけるつもりだ。
炭素ゼロの技術にも投資している。ある意味では、これも炭素排出を相殺していると考えたい。ゼロ達成に役立つと期待をかける手段に10億ドルを超える資金を投じてきた。安定して提供される安いクリーン・エネルギーや、低排出のセメント、鋼鉄、肉などだ。それに、僕が知るかぎりだれよりも多くの額を直接空気回収の技術に投資している。
個人で減らすより大きな効果
もちろん、企業に投資しても僕自身のカーボン・フットプリントは減らない。しかし、僕が支援する企業がどこか1つでも成功を収めれば、僕や僕の家族が出す量よりもはるかに多くの炭素を削減できる。そもそも目標は、単に1人の人間が自分の排出分を埋め合わせることではない。気候大災害を回避することだ。
だからこそ僕は初期段階にあるクリーン・エネルギー研究を支援し、有望なクリーン・エネルギー企業に投資して、世界中でブレークスルーを呼び起こす政策を支持したり、ほかの資金力ある人たちにも同じように行動するよう呼びかけたりしているのである。
重要なのは次の点だ。僕のように排出量の多い者はエネルギーの使用を減らすべきだが、世界全体ではエネルギーによって提供されるものやサービスがもっとたくさん利用されてしかるべきである。炭素を排出しないかぎり、エネルギーをさらに使うこと自体はなんの問題もない。
気候変動に対処する際にカギになるのは、化石燃料によるエネルギーと同じくらい安くて安定したクリーン・エネルギーを提供できるようにすることだ。これを実現するのに役立ち、年間510億トンからゼロへ向かうのに大きな効果があると思われるものに、僕は多くの力を注いでいる。
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