コロナでさらに進化「出会い系アプリ」の最新事情 「アフターコロナ」見据えたビジネスが続々登場
「OKZOOMER」は大学生に限定している点がユニークであり、フィルターがかかることで、利用者も一定の安心感を持って参加できる
「Hinge」はプロフィールが公開され、双方の同意が必要な点などによって、出会い系アプリとしてのある程度の安全性が担保されていることが特徴だ。「Dialup」はビデオ会議が続き、画面越しに対面することに疲れている人に支持された。音声のため自分の姿を見られる心配もない。オンラインでの出会いは、ある程度の安心感や安全性があるサービスが伸長した。
今後有望なのは「特化型」
日本でも「Pairs」や「tapple」などの恋活・婚活アプリで、ビデオチャットなどを通じてデートを楽しむ「オンラインデート」の人気が加速した。一方、婚活サービス大手のIBJは、Zoomを使った「オンラインお見合い」を2020年3月から開始。同社のシステムにプロフィールを登録している会員に「オンラインお見合い」の可否を問う項目を設け、双方合意のうえで行う仕組みだ。
自宅でリラックスし、互いの話に集中できることなどから、次のステップである「仮交際」に進む確率が50%と、リアルの30%より高く、オンラインのほうが好成績になるという結果もある。オンラインデートやオンラインお見合いは、若者を中心に一つの選択肢として「当たり前」になりつつある。
今後、ビジネスとして有望なのは、「OKZOOMER」のように大学生に限定したり、「Dialup」のように音声だけにするなど、特化型のオンラインデートサービスだ。学生限定以外でも、医者限定、スポーツ選手限定、アーティスト限定、LGBT限定など、やりようはいくらでもある。
また、米国ではオンラインデートの作法や励まし、モチベーション維持を動画や電話で指南するデートコーチサービスが人気だ。日本でもオンラインに特化したデートコーチサービスはビジネスになり得る。
一方、日本の若者の間でも出会いについて「安心感」を求める傾向が強くなっている。例えば、音声SNSのClubhouseは、自分の姿を画面上にさらすことがない安心感が流行のポイントとなった。親友や恋人同士で自分の空き時間情報をシェアできるカレンダーアプリ「FRIDAYS」は、限られた人だけと予定を共有でき、親友や恋人といえども知られたくない予定は非公開設定が可能など、安心して使える点が人気につながった。
「ノミニコ」は今飲みに行きたいと思った瞬間に、Twitterで相互フォローしている友人を一斉に誘ってマッチングできるアプリ。これも安心できる人のみを効率的に誘えることが受けた理由だ。出会い系のさまざまなサービスも、「安心感」を付加することで、若者を中心に大きな支持を得られる可能性が高い。