コロナでさらに進化「出会い系アプリ」の最新事情 「アフターコロナ」見据えたビジネスが続々登場

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②バーチャル冠婚葬祭:礼拝もオンライン化、伝統にも変化

欧米では国民の約75%がキリスト教信者で、コロナ禍では毎週日曜日に家族で教会に通っていた人々向けに、教会の礼拝や洗礼式もオンライン配信に切り替える例が続出した。2020年4月に行われたイースター(復活祭)では、通常、教会に集まり大人数で集団礼拝を行うが、 YouTubeで多くの動画が配信され、自宅から各自が祈りを捧げる動きが目立った。また、イスラム教が国民の約9割を占めるインドネシアで、1割足らずのキリスト教徒の日曜礼拝においてオンラインストリーミング配信が活用された。

結婚式や葬式などのイベントも次々とオンライン化されている。米国では、葬儀に参加できない家族に、Zoom配信やFacebookのライブストリーミングで生配信するサービスも行われるようになっている。

スペインの注目株は無料アプリ「ETERNIFY」だ。アプリ上で家族が故人の特設ページを作り、友人や親族にチャットアプリ「WhatsApp」やメールでリンクを送信。スマホでログインすると、故人への別れのメッセージを投稿し、思い出の写真をアップロードすることができる。火葬の日時などのスケジュール共有も可能だ。アプリでメッセージや写真をあらかじめ集め、火葬の日にオンラインでアクセスした人たちに紹介したり、相互にやり取りして故人をしのぶこともできる。こうしたサービスは全て無料だ。

感染拡大が深刻な国で一層促進

海外は、日本よりコロナの感染拡大が深刻な状況だった。厳しい外出禁止措置などがとられたため、集まっての礼拝や葬儀を行うことができず、オンライン化が日本より促進された。また、普段なら参加しづらい遠方の人、高齢者、体が不自由な人も“擬似参列”することができ、便利さもあいまって広まった。

日本では一部の葬儀業者がリアルで行う葬式の追加オプションとしてオンラインサービスを提供し、参列できない人の弔電や供花、クレジット払いの香典に対応しているが、まだ利用はそれほど進んでいない。世界で最も高齢化している日本では、高齢者が多く参加する行事である葬儀こそより新しいアイディアが必要とされる場だ。

有効なビジネスの一つは、「ETERNIFY」のようなオープンなプラットフォームの展開だ。同様のアプリを日本でも立ち上げれば、リアルの場で葬式を行いたくない人、参加したくても体の自由が利かない高齢者のニーズを捉え、利用が進む可能性は十分にある。集まった写真をアルバムにする有料サービスなどを提供するのも手だ。

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