破壊的イノベーションと「共感力」の意外な関係 デザイン思考で新しい市場を創るロジックとは
デザイン思考は0→1のビジネスを創ると述べたが、それはすなわち「新しい市場を創る」ということにほかならない。
なぜデザイン思考によって新しい市場を創れるのか、そのロジックについて説明しよう。すでに市場が存在する場合、市場における自社のポジションや他社に対する競争優位性など、市場分析を通じて競争戦略の立案が可能となる。
だが、新しい市場を創る際には、まだ市場が存在しておらず、分析できない。クリステンセン教授の『イノベーションのジレンマ』の中でも指摘されている点である。
特に、まだ存在しない市場の規模は正確に算定できないため、市場規模算定の結果を基に市場参入を検討する(ある意味まともな)大企業ほど、新規市場への参入が遅れる。
結果的に自社で破壊的イノベーションを起こせないばかりか、逆にスタートアップにそれを起こされ、自社の収益源である既存事業すらも毀損されてしまう、というのは破壊的イノベーションの特徴をよく表している。
新しい市場が生まれるプロセス
では、いま存在しない市場をどうやって創るのか。まず「市場が存在する」とはどういうことかを考えよう。市場が存在するのは、「人々がサービスを利用するから」である。
では、人々がサービスを利用するのはなぜか。それは「そのサービスを使うことで、人々の心が動くから」である。では、人々の心が動くのはなぜか。それは「そのサービスの創る世界や提供する体験(利便性など)に対して共感・感動するから」である。
ならば、人々が共感する世界観や感動する体験を創れば、人々の心が動き、利用され、新しい市場が生まれる。
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