「滴滴出行」の株価暴落
6月30日、中国配車アプリ最大手「滴滴出行」(DiDi)がニューヨーク証券取引所に上場、公開株価は仮条件上限の14ドル(時価総額約8兆円)になり、市場から大いに歓迎された。同社は会社設立から約9年、AI、データシステムを駆使したビジネスモデルにより急成長、市場の好反応もうなずける。
が、まもなく市場に激震が走る。7月4日、中国当局による「滴滴の個人情報収集の違法行為を確認し、アプリのダウンロード停止命令」、6日に「中国政府、海外上場企業への監督強化」のニュースが入ると株価は前週末終値に比べ25%暴落した。
昨年11月、世紀最大の株式上場と謳われた「アント金融」のナスダック上場の「無期延期」が記憶に残るなかで、今度は滴滴の株価暴落、ウォール街が今疑心暗鬼になっているのは、米中金融摩擦が、どこに行きつくのかだ。
「チャイメリカ」の米中金融関係
「新冷戦」と言われる中、皮肉にも米中間の金融ビジネスは活況を見せている。
日本経済新聞によると、アメリカの対中証券投資総額は約1.2兆ドル(約130兆円)で、その75%は株である。対し中国の対米証券投資総額は約2.1兆ドル(約230兆円)で、アメリカの対中証券投資額を超える。しかし、その9割以上(約1.96兆ドル)が米国債で、保有額は日本に次いで多い。
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