スズキ、ダイハツ「日系トラック連合」参画の事情 トヨタの一声で新会社に合流することが決まった

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ダイハツ、スズキのCJPT参画決定で自動車メーカートップが共同会見を行った(写真:スズキ)

スズキとダイハツが“トラック連合”に参画した。その連合とは、いすゞ・日野の国内トラック大手2社と、日野の親会社でもありCASE(コネクテッド・自動運転・サービス・電動化)技術開発で先行しているトヨタの3社が4月に発足させた新会社(コマーシャル・ジャパン・パートナーシップ・テクノロジーズ=CJPT)だ。

CJPTは自動運転などの先進技術の共同開発やカーボンニュートラル実現、CASE技術の普及を目的として設立された。スズキとダイハツは7月にCJPTの株式をそれぞれ10%取得した。

ダイハツとスズキは、運送業で「ラストワンマイル」と呼ばれる配送拠点から住宅や事務所などの配送先までの輸送を担う軽自動車のバンタイプを製造・販売している。7月21日の会見でスズキの鈴木俊宏社長は、「われわれの使命は、お求めやすい価格でカーボンニュートラルに貢献する軽自動車を市場に出すこと。この実現は単独では非常に難しい。ダイハツも同じ思いを抱いており、一緒にできることはないかと相談していた。その中でトヨタから声がけをいただき、その理念に共鳴してCJPTへの参加を決めた」と語った。

参画の狙いは「コネクテッド」

もっとも、ダイハツはトヨタの完全子会社であり、スズキもトヨタとの資本提携の中でEVなどの技術供与を受けることを発表している。そのため、CJPTの参画による先進技術面の恩恵が大きく広がるわけではない。

今回の提携の肝はコネクテッド基盤の共有だ。コネクテッドでは、車が外部と通信で常時つながるようになることで、さまざまなサービスが可能になる。

商用車におけるコネクテッドサービスには大きく2つある。1つが車両そのものの管理だ。走行データやそのほかの情報を基に故障の予測や、安全運転の支援、事故時の緊急通報などを行う。これは乗用車にも搭載されることが多い機能だ。

もう1つが商用車特有の運行管理サービスだ。商用車では複数の車両を使って配送などの業務を行う。コネクテッドで全車両を管理することで、最適な配送ルートの指示や渋滞の回避などが可能になる。

ダイハツの奥平総一郎社長は「トラックはかなりコネクトされつつあるが、軽商用は車載でそれができていない。(ドライバーの)スマホに頼っているところがほとんどだ」と話す。スズキの場合、ベンチャー企業のスマートドライブと連携し、後付けの車載機器を使ってコネクテッドサービスを導入すると6月に発表したばかりだ。

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