五輪で噴出した「サブチャンネル最悪」の誤解 「全録レコーダー」利用時には注意が必要だった
さて、ネットでのストリーミング視聴に慣れている方ならば「ネット配信なら、どの映像も高精細に楽しめるのに」と思っているかもしれない。そこは放送という仕組みの限界でもあるが、ネットでのストリーミングでは、最新の映像圧縮技術を用い、広帯域のインターネットで配信されるため、多様な映像を同時配信するのに適していることは確かだ。
一方でインターネット配信は、五輪の開会式や閉会式といった1つのイベントに世界中からアクセスが集中しやすいコンテンツは向いていない。五輪のように多数の競技が並行して開催されるイベントで、テレビとネットをどう使い分け、使いこなしていくかはは、ネット環境の変化や視聴者の使うデバイスの変化もあるため、必ずしもどちらがいいというものではない。
話がやや逸れたが、ハイビジョン放送や4K放送を見慣れた目からすると、驚くほど低画質と感じるのは致し方ないところだが、それでも生中継を継続視聴できることはプラスに考えていいと思う。
一方、使いこなしには少しコツが必要だ。特に録画機を活用している場合に注意したい。
生中継を見ているだけであれば、チャンネルの「↑」ボタンを押すか、あるいはチャンネル番号を直接指定(NHK総合のサブチャンネルは「012」)すればサブチャンネルに切り替えることができる。
しかし録画ではこの切り替え操作は行えない。予約録画や全チャンネル録画を使っている場合、メインチャンネルしか録画されない。特に全チャンネル録画をあてにしていた方の中には、観たいシーンが録画されておらず残念な思いをした人もいるかもしれない。
サブチャンネルが録画されていない?
メダルラッシュに沸いた柔道の場合、準決勝が行われる時間帯が報道番組と重なることが多かった。決勝前に準決勝をチェックしてみると、肝心の画面が録画されていなかったという経験をした人もいるかもしれない。
筆者もその1人で、全チャンネル録画をしているのでいつでも見返せると油断していたのだ。
サブチャンネルでの放送は、あらかじめEPG(電子番組表)にも組み込まれているが、機器の設定で「サブチャンネルを非表示」にしていると録画予約が行えない。サブチャンネルを表示したうえでサブチャンネル部分だけを別録画することで翌日からは録り漏らしを防ぐことができた。
筆者はパナソニックのDIGAというブランドの録画機を使っているが、他メーカーの録画機でも基本的には同じだ。
なお、報道番組が挿入される時間帯の生中継継続以外でもサブチャンネルが使われている例もあった。NHK BS1のサブチャンネルを使い、別競技の放送が編成されていたのだ。このようにサブチャンネルにはさまざまな利点がある。
今後も同様のイベントでサブチャンネルが活用されることもあるだろう。東京五輪でも報道番組の裏で生中継を続けるだけではなく全録していたはずなのに、録れていなかったという方はお試しを。
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