今や「FAの三菱電機」が快走する 通期業績予想を上方修正、さらに上振れも

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三菱電機のFA「シーケンサ」は世界シェア18%を誇る

華やかな提携劇を繰り返す日立製作所や東芝に比べ、どちらかといえば“地味“だった存在の三菱電機。それが今や、FAの快走などで、負けず劣らず存在感を発揮している。

三菱電機は7月30日、2015年3月期第1四半期(4~6月)決算を発表した。売上高は前年同期比9%増の9106億円。営業利益は同73%増の593億円で、過去3番目の高水準だった。松山彰宏・常務執行役は、「国内では駆け込み需要の反動が見られたが、設備投資などの企業マインドは改善傾向が続いた。海外では欧州などゆるやかな景気拡大が続いた」と、その要因を説明した。

大幅増益の牽引役となったのは2部門。第1四半期の営業利益のうち、約59%を占める「産業メカトロニクス」と、約35%を占める「家庭電器」だ。

FAが好調、重電は低調

特に産業メカトロニクス部門では、FA(ファクトリーオートメーション)事業が、国内メーカーによる自動化の更新需要増加、さらに中国のスマートフォンメーカーによる高付加価値機種への生産シフトによる投資増などで需要が拡大。「シーケンサ」(上写真)など、分野によっては世界シェアで2割近い製品も抱える。自動車機器事業でも海外での新車販売好調が後押しした。

一方、家庭電器部門は、消費増税後の駆け込み需要があったため、国内では減収。ただ海外では、アジアや北米、欧州向けの空調機器が好調だったことで、国内分のマイナスを跳ね返した。中でも空調冷熱事業は、同部門の売上高の3分の2を占め、海外を強化中だ。トルコでは14年4月に空調冷熱機器販売会社のクリマプラス社を子会社化し、7月に吸収合併。英国でも、スコットランドで住宅型空調冷熱システムの評価施設を作るなど、攻勢をかけている。

それらとは対照的に、振るわなかったのが、重電システム部門である。国内や中国、ASEAN諸国で、昇降機や交通関連が伸びる反面、国内の電力大口案件の減少が直撃し、足を引っぱった。

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