東芝が上方修正も、"がっかり"な理由

牽引役と呼べるのはNANDフラッシュメモリだけ

8月の経営戦略説明会では「私の責務は、東芝の成長エンジンを創り出すこと」と語った田中久雄新社長(撮影:吉野純治)

東芝は10月30日、今2014年3月期の業績予想の上方修正を発表した。売上高は前年同期比8・6%増の6兆3000億円(従来予想は6兆1000億円)、営業利益は同49・9%増の2900億円(同2600億円)になる見通しだ。

上方修正の牽引役は、旺盛なスマートフォン需要を受けて、絶好調が続くNANDフラッシュメモリ。数量のみならず、9月には韓国SKハイニクスのDRAMを生産する半導体工場が火災した影響で、メモリ価格が高水準を維持している。数量・価格ともに恵まれた環境の中、当社が世界シェア2位を誇るNANDフラッシュメモリは我が世の春を謳歌した格好だ。半導体とストレージを含む電子デバイス部門の4~9月期の部門営業利益は1137億円(前年同期は276億円)と過去最高を更新した。

ただし、下期にかけては「年明けはスマホ市場の伸び率が鈍化することで、NANDの売上高もかなり抑えて見ている」(久保誠副社長)。戦略的に価格を引き下げることも考えており、利益率は今上期の20%台後半から下期には20%台前半に落ち込む前提となっている。それでも、通期の電子デバイス部門の今期の営業益は2100億円と、従来予想から800億円も引き上げている。

次ページ日立と明暗分かれる
ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • 角田陽一郎のMovingStudies
  • ポストコロナのメガ地経学ーパワー・バランス/世界秩序/文明
  • 最新の週刊東洋経済
トレンドライブラリーAD
人気の動画
東芝、会社「3分割」に残る懸念
東芝、会社「3分割」に残る懸念
ウエルシアがイオンと挑む「ドラッグストア飽和」打破の勝算
ウエルシアがイオンと挑む「ドラッグストア飽和」打破の勝算
企業同士の取引で「値上げラッシュ」が起きている
企業同士の取引で「値上げラッシュ」が起きている
百貨店の最終兵器「外商ビジネス」が抱える難題
百貨店の最終兵器「外商ビジネス」が抱える難題
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
「非財務」で生きる会社、死ぬ<br>会社 企業価値の新常識

今や株価を決める最大の要因は「非財務情報」というのが世界の常識に。優れた開示を行えば企業価値の向上につながる一方で、開示が不十分だと株を売られるリスクも。企業価値の新常識をめぐる混乱とその対処法に迫りました。

東洋経済education×ICT