東芝が上方修正も、"がっかり"な理由 牽引役と呼べるのはNANDフラッシュメモリだけ

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縮小

一方で通期の連結営業利益の、上方修正幅は300億円にとどまっている。これは電力とテレビ、パソコン、白モノ家電の事業が悪化したからにほかならない。

電子デバイス部門以外は軒並み苦戦

電力部門を見ると、国内外の火力発電と水力発電は想定を下回った。加えて原発子会社のウエスチングハウスが、ウラン価格の在庫評価損や燃料工場の除染費用などを計上したことで利益が縮小。低迷が続く国内原子力も、今下期から福島第一原子力発電所の除染費用や汚染処理関連の売上高を見込んでいるものの、苦しい状況であることに変わりはない。

テレビは下期には黒字化を見込むが・・・(撮影:尾形文繁)

さらに足を引っ張るのが、テレビとパソコンの赤字だ。構造改革を進めたことでテレビ事業の赤字は縮小傾向にあるものの、下期黒字化が精いっぱい。パソコンも需要低迷に加え、国内販売分は円安が逆風となり原価率が悪化している。価格転嫁を進めるほか、手薄のBtoB販売に力を入れることで挽回を狙っている。ほかにも、あの手この手の構造改革の対策を練っている最中という。

ライバルの日立製作所が29日に発表した中間決算は、情報・通信システムや電力、高機能材料など、インフラ関連が総じて好調で期初予想を上回って着地した。会社側は通期予想を据え置いたままだが、受注は増加傾向にあり通期の上方修正にも期待が集まっている。一方の東芝はNANDフラッシュメモリ頼みとなってしまい、同じ総合電機ながら事業構造の違いが改めて鮮明となった。

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