5年で倍増!小学生で不登校を選んだ子の本音 14歳になった少年が振り返り語ること

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――その後、小6からはフリースクールに通われていますが、家を中心とした生活では、どんなことをしていましたか?

ゲームをしたり、好きなプログラミングを習ったりしましたが、会社を設立しました。

親子起業で小学生社長に

周囲の反応に心を痛め「不登校を始めたころはやっぱり不安でした」と語るはるゆきさん。今では学校へ行こうが行くまいがどちらでもいいじゃないかという気持ちを持っていると話してくれた(写真:不登校新聞)

――え!! 会社を設立したんですか?

はい。まだ実績は残せていませんが、ゆくゆくは子どもが楽しめるインターネットサービスを発信していきたいと思っています。でも設立しただけでも、めっちゃたいへんだったんですよ。定款をつくったり、登記申請したり、資金もクラウドファンディングで集めたりしたんですが、そういう一つひとつが……。

――待って待って! 急に話が大人すぎて気持ちが追いつかないです。

すみません(笑)。親子起業というやり方で、子どもが社長になって会社を立ち上げる方法があるんです。なので役職は、お母さんが代表取締役で、僕が代表取締役社長です。

会社を設立しようと思ったのは、じつはある社長さんと話すなかで、「学校へ行かない小学生が社長になりたい」と思ったからです。準備はたいへんでしたが、達成感はすごかったです。

――ビックリしました。会社設立なんて大人でもとても苦労することです。最後に不登校をしたことを自分ではどう思うか教えてください。

不登校を始めたころはやっぱり不安でした。行きたくない気持ちはあるけれども、行かなくてはまずいのでは、と。おじいちゃんたちが将来を悲観したので、それも怖かったです。

でも、お母さんとたくさん話すなかで気持ちは変わってきました。お母さんは「無理をしてまで学校へ行くのは絶対によくない」と話してくれました。学校へ行かないで仕事をしている人もいるし、子どものうちは、やりたいことをやったほうがきっと幸せだろうな、と。そう思えたので学校については決心がつきました。今では学校へ行こうが行くまいがどちらでもいいじゃないか。そういう気持ちを持っています。

――ありがとうございました。

(聞き手・石井志昂、写真・矢部朱希子)

【プロフィール】
(はるゆき)2007年生まれ。小学生のあいだに2度不登校を経験。小学校6年生の際に母親と株式会社を設立し社長に就任。現在は祖父母宅からフリースクールに通っている。

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不登校新聞

日本で唯一の不登校専門紙です。不登校新聞の特徴は、不登校・ひきこもり本人の声が充実していることです。これまで1000人以上の、不登校・ひきこもりの当事者・経験者が登場しました。

また、不登校、いじめ、ひきこもりに関するニュース、学校外の居場所情報、相談先となる親の会情報、識者・文化人のインタビューなども掲載されています。紙面はすべて「親はどう支えればいいの?」という疑問点から出発していると言えます。

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