元引きこもりの私がキャバクラで働き見た景色 小1から20歳まで引きこもっての発見

拡大
縮小
14年間ひきこもり、24歳の頃からキャバクラで働き始める。そして何年も働くうちに、あることに気づいたという(写真:buritora/PIXTA)

私は小学校1年生から不登校、20歳までひきこもり、その後バイトを始めてからも極度のコミュ障で人見知り、とにかく生きづらい人生だった。

キャバクラで働いて気づいたこと

24歳の頃、キャバクラで働き始めた。人見知りを直して、たくさんの人と話したかった。そして酒を飲んで金をもらいたかったからだ。

当記事は不登校新聞の提供記事です

最初はお客さんにすごく気を使って、どもりながら話していたが、何年も働いているうちに初対面の人ともフランクに話してバカ騒ぎできるようになった。

そこで話すことは本当に他愛のない日常のこととか、仕事のグチとか、好きなゲームの話とか、中学生みたいな下ネタとか、こんなことでお金をいただいていいんだろうかと思う内容だ。

キャバクラに遊びに来る人は社会的に成功して、お金のある人たちだ。そんな人たちがわざわざ高いお金を払って酒を飲みに来る理由が最初はわからなかった。立派な大人は同じように立派な大人と「建設的な話」がしたいんじゃないのかしら、と。でも最近は、お客さんたちの気持ちもわかるような気がする。

お客さんたちはお酒を飲みながらくだらないお話をひとしきりすると、笑顔で帰っていく。きっとふだんの「立派な社会人」や「よき夫」「優しいお父さん」に戻るんだろう。

でも、「立派な大人」をつねに演じているのはしんどい。生きていればどうしたってイヤなことはあるし、ムカつくことも、悔しいことも、苦しいこともあると思う。そんなとき、「くだらない」と思われるかもしれないグチをうんうんと聞いてくれたり、いっしょに酒を飲んでバカ騒ぎして、心のモヤモヤを発散させてくれる場所があったら……。

人はみんな心にキャバクラのような「はけ口」を持つべきだ。とくに不登校・ひきこもりの人には「はけ口」が必要だ。もちろんキャバクラでなくてもいい。相談できる友だちでも医師でもカウンセラーでもなんでもいい。肯定される会話、傷つかないコミュニケーションができる場。そうした場所が必要なのだ。

心にキャバクラを持たざる者はトイレのない部屋に住んでいるのと同じだ。自分から出たいろんな感情でどんどん心が汚れてしまう。よけいなものは出さなきゃいけない。

自分なりの「はけ口」を見つけてほしいと思う。心がスッキリすれば、自分に必要なものも見えてくるし、楽しいことを考えたり、仕事をがんばる余裕もできるかもしれない。そしてもし、お金があるのなら、うちのキャバクラに来たらいいと思う。

■筆者略歴
つぐみ/小学1年生から不登校。親との関係や摂食障害にも苦しむ。その後、キャバクラで働き現在5年目になる。

不登校の関連記事
理由を求める私たちに警笛、わかりにくいのが人間ですよ
学校を休む子に規則正しい生活をさせようとすればするほどうまくいかない理由
安心してひきこもるために、僕が実践している5つのこと

不登校新聞

日本で唯一の不登校専門紙です。不登校新聞の特徴は、不登校・ひきこもり本人の声が充実していることです。これまで1000人以上の、不登校・ひきこもりの当事者・経験者が登場しました。

また、不登校、いじめ、ひきこもりに関するニュース、学校外の居場所情報、相談先となる親の会情報、識者・文化人のインタビューなども掲載されています。紙面はすべて「親はどう支えればいいの?」という疑問点から出発していると言えます。

公式HP 

この著者の記事一覧はこちら
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
倒産急増か「外食ゾンビ企業」がついに迎える危機
倒産急増か「外食ゾンビ企業」がついに迎える危機
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
猛追のペイペイ、楽天経済圏に迫る「首位陥落」の現実味
猛追のペイペイ、楽天経済圏に迫る「首位陥落」の現実味
ホンダディーラー「2000店維持」が簡単でない事情
ホンダディーラー「2000店維持」が簡単でない事情
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT