5年で倍増!小学生で不登校を選んだ子の本音 14歳になった少年が振り返り語ること
母親にも相談し、そこからは毎日のように2人で話し合ったんです。お母さんは「悲しかったよね」「次はどう対応したらいいかな」「どう考えてみたらいいのかな」と、いろんな話をしてくれました。そういう話をしているうちに「考え方を変えて乗り越えていこう」としたんです。小学校2年生の際は、それで乗り切れました。
時計の針が進まない
――その後、小5になってまた行かなくなったのは、なぜでしょうか?
今度はシンプルに学校の授業がきらいになったからです。
授業は知っていることでも、ずっと説明されます。毎日、あれが続くのは本当に苦痛でした。早く終わらないかなと思って時計を見てすごしましたが、時計の針もなかなか進まない。授業中は気持ちが悪くなるぐらい、つらかったんです。それで、もうこれはダメだと思い、お母さんに「行きたくない」と相談しました。
――今度は、お母さんも納得したのでしょうか。
納得してくれました。お母さんはすごくオープンな人で、お母さん自身も学校がきらいだったらしいんです。ただ、そのあとで学校の先生を説得するのはたいへんでした。「行きたくない」と先生に伝え始めたころは「学校は義務だから絶対に行かなきゃダメ」と。そういう先生に僕とお母さんとで「無理をしてまで学校へ行く義務はないですよね」と説明したんです。
――精神的に消耗する話し合いですね。
すごくきつかったですよ。先生と話すこと自体がうれしいことではないのに「学校がイヤです」「授業がきらいです」なんていう話題ですからね。それでも先生とは5回ぐらい話し合いの場を持ちました。最初は苦しかったですが、話し合いを重ねて、だんだんと先生もわかってくれました。
――周囲の説得がたいへんでしたね。
じつは祖父母との話し合いもたいへんだったんです。僕が学校へ行ってないとわかったとき、おじいちゃんたちは、とっても反対してきました。「学校へ行かなければ将来は仕事に就けなくなる」と言われたこともあります。おばあちゃんなんて、めっちゃ落ち込んじゃったんです。僕からしたら「そんなに暗くなる?」と思うぐらいに(笑)。でもお母さんが何度も話してくれた結果、今では明るい雰囲気でいっしょに暮らせています。