「日航機墜落現場」36年ぶりに訪れて空から見た今 ドローンで現場周辺を空撮し甦ったあの日の記憶

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各所でめぼしをつけ、ドローンを飛ばして風景を検証してみたが、どうも感触が良くない。御巣鷹山らしきものが感じられない。県道124号に戻りぶどう峠から眺めるがどうにも確信が持てる場所見つからない。100m離れた御巣鷹山展望台からも眺めるがどこかはわからなかった。

仕方ないので麓から川上村に戻り、南相木ダムに行ってみた。ここからドローンを飛ばすことができず、距離的に近い最後の可能性を願い、川上村村道192号梓山線で三国峠に向かうことにした。

南相木ダムから御巣鷹山方向を眺める(撮影:小平尚典)

三国峠まではたどり着けたが、峠の先も落石や道路の陥没などのため封鎖されていた。そこから少し引き返し、グーグルマップに表示される墜落現場からの最短地点を割り出し、高天原(たかまがはら)山の山肌を越えてドローンを飛ばすことにした。

三国峠の表示看板(撮影:小平尚典)

太陽を背に大きな白い雲の合間に夏の日差しが雲に隠れたり出たりと山肌はマダラになりながら、ところどころ台風19号の被害で山肌が覗く様子が、モニターに映し出されてきた。山々の深い緑と青空と白い入道雲がとても綺麗で、なんか少しホッとした。

昇魂之碑を発見

「あ、これだ」。最初に見つけた『昇魂之碑』の下手のパーキングだ。そこから登山の記憶を思い出しながらドローンでたどっていくと昇魂之碑を確認することができた。緑を少し切り拓いた広場のようなところにベンチなども小さく写っており、そこが昇魂之碑である確信を持った。

すぐさま渡邉氏に確認用のスチルフォトを撮影してもらい、あたりを上空から見渡し数分間のフライトの後、天候が少し悪くなってきたので、沢沿いにドローンを回避させゆっくり戻ってきた。12時18分ごろの撮影だった。皆で無言の一礼をして川上村に戻った。

携帯電話も電波が途切れ途切れで、現場でのクラウド情報は得られなかったが、じっくり作戦を立てていたのが幸いした。それでも山の方向感覚は、何度確認しても見失ってしまう。

こういう山肌をスゲノ沢めがけて下りていった(撮影:小平尚典)

当時の僕の印象では、JAL123便は御巣鷹山の頂上に激突したというイメージがあったのだが、そうではなく、実際の衝突現場は尾根の少し下側、生存者が4名発見されたスゲノ沢もイメージよりも少し下った地点であることがドローンの俯瞰映像を見てやっと理解できた。

次ページ最初に123便がぶつかった尾根のへこみ
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