30代後半から無慈悲に太り続けてしまう根本原因 「ミトコンドリア」の量が脂肪燃焼の鍵を握る

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増やすといいことだらけのミトコンドリアだけに、どうすれば増えるか、さまざまな研究が行われてきました。たとえば「きつい」と感じる運動を長時間行うことを習慣化できれば、ミトコンドリアは増えることがわかっています。体が追い込まれてエネルギー不足を感じると、細胞はミトコンドリアを増やすように働き始めるというしくみです。

あとは食事を腹七分以下にとどめたり、1日の総摂取カロリーを減らしたりして空腹状態を保つという方法で「長寿遺伝子」とも呼ばれるサーチュイン遺伝子が活性化し、ミトコンドリアが増えたという報告があります。

ほかにも、冷水風呂に浸かったりアイスパックを体に当てたりする寒冷刺激でも、細胞はエネルギーが必要と認識してミトコンドリアを増やすことがわかっています。ただ、いずれも鍵となるのは「体を限界に追い込む」こと。どれも並大抵の努力や精神力、忍耐力では続かない苦行のようなものです。「それができるならいまの体形にならない」と思う方も多いかもしれません。

もともと運動が苦手で続かない方や、食べることが大好きで食事や間食を控えることが難しい方にとっては、ハードルの高い解決策です。

最も楽にミトコンドリアを増やす方法とは

ここで朗報です。じつは体内には、特に多くのミトコンドリアがみっちり詰まっている7つの筋肉があります。お腹の深部にある大腰筋、太もも内側にある内転筋、太もも裏側の半腱様筋と半膜様筋、ふくらはぎにあるヒラメ筋、そして肩甲骨のあいだにある菱形筋とお腹を覆う腹横筋の7つです。これらの筋肉でうまく働いていない部分を使えるようにするだけで、一気にやせやすくなるのです。

『「やせたい」なんてひと言もいってないのにやせた1分ねじれ筋のばし』(サンマーク出版)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら

おもに背中やお腹、腰まわりで姿勢の維持に使われる、この7つの筋肉は、骨に直接くっついて骨格や関節を正しい位置に保持することから「インナーマッスル」とも呼ばれています。体内の脂肪をどんどん燃やしてエネルギーに変換するミトコンドリアの働きが活発なので「ミトコンドリア筋」とでも呼びたい筋肉です。この「ミトコンドリア筋」は、筋トレで鍛える筋肉のように大きくのび縮みはしませんが、少しのばし続けることでかなり血流が促進され、体温が上がって基礎代謝も高まります。

ここがよく動くと、付随する関節の可動域も広がり動作も大きくなるため、日常生活でのエネルギー消費量もアップ。筋繊維の密度まで高まっていくので、ミトコンドリアもさらに増加します。こうした変化が、脂肪をどんどん燃やしてエネルギーに変換しまくる体を取り戻すのです。

「ミトコンドリア筋」に秘められた脂肪を燃やす力は、ミトコンドリアの少ないアウターマッスルの約30倍。つまり「やせ力」を爆発的に高められる筋肉ということです。

今村 匡子 あさひ整骨院日本橋浜町院院長

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いまむら きょうこ / Kyoko Imamura

柔道整復師、鍼灸師。大阪府生まれ。陸上競技(中距離走)でのケガに苦しんだ中学生のころに体のメンテナンスに関心を持ち、さまざまなボディケアを学ぶように。21歳より整骨院でのキャリアをスタートし、高齢者の術後リハビリに勤しむなか痛みやこりを生じにくくする体の使い方を模索。 28歳からはビジネスパーソンの姿勢改善や不調緩和を施術のメイン とし、痛みやこりが消えるだけでなく、なぜかやせると評判に。モデルやアスリートの顧客が増える。32歳からは女性の体形改善や産後ケアに特化した現職に。自身の妊娠・出産経験を活かし、年間産後ケア人数は6000人を超える。

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