オシムの戦術 千田善著

オシムの戦術 千田善著

日本サッカーを革命的に変えた点ではクラマーとオシムが双璧だろうが、発想、発言の面白さでは文句なしに後者である。日本代表監督オシムの専任通訳として行動をともにした著者が描くオシムサッカーと人間オシムは魅力たっぷりだ。

代表戦全試合の選手起用法や戦術が詳しく述べられ、異色の練習法が赤裸々に紹介されていることに驚かされた。監督と選手の間の信頼や葛藤など心理面やコミュニケーションの角度からオシムがチームをどう考え、どうリーダーシップを発揮したのか、という点でサッカーを超えたヒントが多々得られるだろう。前半は選手名やサッカー用語が溢れてファンには最高の(ファン以外にはとっつきにくい)内容だが、後半はごく平易に話は進む。

近年、力の低下が言われる日本サッカーだが、オシムの2年間を無にすることのないよう、本書から学ぶことは多いはずである。ワールドカップを楽しむうえでも役立つだろう。(純)

中央公論新社 1680円

  

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集中連載「日立 踊り場の先へ」<br>世界で戦える組織へ

成長を確実にする組織の根幹を成すのが、研究開発と人事である。研究開発体制は2015年4月、各研究所に横串を通し、顧客起点の組織に生まれ変わらせた。人事制度もグローバル化がほぼ完了。踊り場から飛躍へ、日立の地固めの様相を追う。