「ずれた結論を出す人」と出さない人の決定的な差 正しく「問題」を認識・解決するための3つの方法

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そこで、思いつく解決策をいくつかイメージしてしまいましょう。そうすることで、問題としている事象やその事象に対して、何をするのか取り組む内容が具体化されるため、「問題の程度」がイメージしやすくなります。

本来、解決策を考えるためには、詳細な分析が必要ではありますが、大事なことは、思考を前に進めることです。どっちを問題とすべきかで悩んでいる時間があったら、その先を具体的に考えたうえで判断をするようにしましょう。

「そもそも」を考えることも必要

③「そもそも」の視点で考えることを忘れない

先ほどの問題は、いずれも顧客からのクレームに対応する時間が遅いということが問題の根源でした。しかし、そもそもで考えると、問い合わせが発生していること自体が問題だと考えることもできます。

問い合わせがあることが問題だとするならば、問い合わせが発生しないよう、商品自体の使い勝手をよいものにしていく、もしくは問い合わせをしなくても、お客さん自身が自分で調べられるようにするといったことも解決策の方向性と考えられます。

(出所:『入社1年目から差がつく 問題解決練習帳』)

ここからわかることは、問題には階層があるということです。

下位のレベルの問題は、起こっている事象として見えてくるため認識しやすいですが、上位のレベルの問題は、「そもそも何が問題か」という意識をもつ必要があります。発生している事象だけに引っ張られないよう気をつけて、「そもそも」で考えた時により上位の問題はないかを自問しましょう。そして、問題の全体を押さえる努力をしていきましょう。そのうえで、どれを問題として扱い、どんな対策を打っていくかを考えるようにしましょう。

問い合わせ自体をなくすために商品の使い勝手をよくしていくことは、根本的な策で大切なので、そちらを優先するということもひとつの考え方です。

一方で、少し時間がかかることでもありますし、労力もそれなりに必要となります。そこで、「対応が遅い」という発生している事象に対する「対処」としての施策を優先するという考えももちろんありえます。

大切なことは、起こっている問題の全体像を押さえたうえで、どこを問題として切り出し、対策を打とうとしているのかをしっかりと理解できていることです。

努力して考えたのに、何か方向性が違うのではと言われてしまうことのないように、以下の3つを意識するようにしましょう。

1 問題は複数あることを意識し、まず、複数の問題がないかという視点で洗い出すこと
2 どれを問題として扱うかの判断は、その問題を解決するための解決策は具体的にどんなものなのかをイメージすることで考えやすくなること
3 問題を考えるときにはそもそもの視点も持っておかないと表層的に見える問題だけに反応してしまう可能性があること

どの問題を解くべきなのかをしっかりと理解したうえで、取り組むようにするだけで、結果は違ってくるはずです。

岡 重文 グロービス経営大学院教授

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おか しげふみ / Shigefumi Oka

京都大学大学院工学研究科応用システム科学専攻修士課程修了。工学修士。大手情報システム会社、コンサルティング・ファームを経てグロービスに入社。企業研修担当、eラーニング事業の立ち上げに関与したのち、経営管理本部で、情報システム部門ならびに人事・総務を統括。現在はファカルティ本部で「クリティカル・シンキング」「ビジネス定量分析」「テクノベート・シンキング」等のコンテンツ開発や、講師の育成業務にかかわる。

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