「ずれた結論を出す人」と出さない人の決定的な差 正しく「問題」を認識・解決するための3つの方法

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あなたは複数の商品を販売する課の一員です。その課では、次のことが起きています。なにが「問題」なのか考えてみてください。

顧客から商品の使い方に対する問い合わせの電話がかかってきても、担当者が外出や会議でいないことが多い。社内にいる担当者以外の人が対応すると慣れないため、時間がかかる。その結果、顧客からも対応が遅いとクレームになっている

「問題」を間違えないための3つのポイント

「問題」を間違えないためのポイントは3つです。

①気になる箇所を複数ピックアップする

実際には文章で表現されている訳ではないですが、文章の気になる箇所に下線を引くようなイメージです。今回の例に限らず、問題は通常、複数存在するものです。また、どこをどう切り出すかによっても問題は違ってきます。安易に気になる箇所が問題だと思い込み飛びつかないためにも、まずは、複数の問題を候補として挙げることを心掛けましょう。今回の例では、以下の2つを問題の候補として切り出すことができます。

・担当者がいないことが問題

・担当者以外が対応すると時間がかかるのが問題

②解決策の具体的なイメージをもつ

次に、具体的にどのような解決策の方向性がありえるのかを考えてみましょう。

担当者がいないことが問題であれば、担当者がいないことを前提につながるようにする。例えば、携帯電話をすべての担当者に持たせるといった解決策が考えられます。もしくは、担当者がいる状態に問い合わせがくるように、電話の受付の時間を限定するといった解決策もありそうです。

担当者以外が対応すると時間がかかることが問題であれば、担当者以外の能力を上げるという方向で、研修をするとか、担当者以外でも対応しやすいように問い合わせのマニュアルを作成するといった方向性がありそうです。

(出所:『入社1年目から差がつく 問題解決練習帳』)

そして、判断です。ここまでの検討で、何が問題で、どんな方向性で解決していきたいのかが見えてきました。携帯電話を持たせてまで、担当者につながるようにすることが妥当なのか、マニュアルを作成して担当者以外のメンバーにも対応してもらうことを求めたいのかを考えます。

そもそもどちらを問題とするのかは、最初に決めなければならないことです。ただ、何の情報もない中で、どちらにするのかを決めることは、結構大変で労力がかかります。

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