グーグル銀行がコンビニ銀行を脅かしかねない訳 新たな金融サービス「Plex」とは一体何者なのか

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グーグルと銀行は、お互いに自分が強いサービスを提供している。

銀行は、銀行業の免許を持っている。そのため、グーグルは、銀行の業務免許を持たないで金融サービスを提供できる。

他方で、グーグルは、非常に広い顧客との接点がある。全世界に数十億人という顧客を持っている。だから、金融機関から見れば、顧客を大幅に広げることができる。

支店を通じてではなく、グーグルを通じて銀行サービスを提供することになる。これは、銀行が銀行機能を外部の業者に提供するバンキング・アズ・ア・サービス(BaaS)の一形態であると考えることができる。

「銀行機能は必要だが、今ある銀行は必要なくなる」

これは、ビル・ゲイツが1994年に言ったとされる有名な言葉だ。

BaaSでは、外から見る限り、銀行以外の主体によって銀行サービスが提供されるわけだ。ビル・ゲイツの予言が実現しつつあると言える。

以上を考えると、本稿の最初で「大手IT企業が銀行業に参入」と言ったのは、正確でないことがわかる。正確に言うと、「IT企業が銀行のライセンスを持たなくても、持ったのと同じようなことになる」ということである。

したがって、グーグルが日本でPlexを提供する場合には、銀行ライセンスを持った銀行と組む必要がある。どこを選ぶかが、今後の大きな課題となるだろう。

アップルやフェイスブック、アマゾンの動きは?

埋め込み型金融サービスは、シリコンバレーの巨大IT企業によって、すでに行われている。グーグルの進出は、遅いとも言える。

アップルは、2014年にアメリカの銀行であるグリーン・ドットと提携してApple Payを開始した。2019年にはゴールドマン・サックスと提携して新型クレジットカードApple Cardの提供を開始した。

フェイスブックは、2019年11月に、「フェイスブックペイ」を開始した(これはディエムとは別の事業だ)。

アマゾンは、2020年6月に、ゴールドマン・サックスと提携して、アマゾンに出店する販売事業者に融資枠を設定するプログラムを開始した。

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