日本と米国でこうも違う「キャッシュレス」事情

実は先端的なサービスが数多く普及している

アメリカのサンディエゴでは現金決済はほとんどなく、キャッシュレス決済が普通でした(写真:h&m/PIXTA)
劉 瀟瀟氏は2019年7月より、三菱総合研究所から派遣され、カルフォルニア大学サンディエゴ校に客員研究員として滞在している。これまでは、訪日中国人観光客のインバウンド消費をメインテーマに執筆してきたが、今回からはアメリカ西海岸便りとしてもお届けしたい。

筆者がアメリカ・サンディエゴに到着して感じた最初の驚きは「小切手がまだ存在している」ことだった。

銀行へ行き小切手を発行してもらったのは、渡米前に契約した賃貸マンションの管理会社に、保証金と賃料を払うため、銀行が支払いを保証した小切手である「cashier’s check」が必須だったからだ。 

cashier’s check。画像の一部を加工しています(筆者撮影)

不動産管理会社から初めての支払いはcashier’s checkでないといけないというメールをもらったとき、実に戸惑った。

歴史映画に出ていたものを皆が現実に持ち歩いているのも新鮮だったが、実際に生活をして思うことは、アメリカは「古くからのキャッシュレス先進国」ということだ。

中国では現金決済への不信もあり、スマホ決済を社会インフラとして普及させ「スマホキャッシュレス」の代表格となったのに対し、アメリカは、伝統な銀行小切手・クレジットカード機能を改良し、そこからイノベーションを生み出している「伝統型キャッシュレス」の代表ということだ。

今回はサンディエゴでの体験をもとに、日本のキャッシュレス社会実現へのヒントについて考察したい。

中国と同じく他人不信のアメリカ

キャッシュレスの定義はさまざまだが、言葉どおりに現金を使わない決済が一般的だろう。Forex Bonusesによると、アメリカは「最もキャッシュレスが進んでいる国ランキング」の5位。これは中国よりも1ランク上だ。

アメリカでの決済手段はいろいろある。クレジットカードはもちろん、デビットカード、小切手、そしてアップルペイを代表したスマホ決済がそれぞれ使われている。アメリカも中国も、格差が大きな社会であり、日本ほど治安がよくない。奪われること、偽札を心配すること、そして「面倒くさい」と思いがちなので、現金の持ち歩きや大金の手渡しをできるだけ避けたい。

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