南口は、東京ガス本社や浜松町ビルディングなどがある芝浦1丁目のオフィス街に直結する自由通路へ直接出られ、終日、ビジネスパーソンでにぎわう。これに対して北口は高架下にあって手狭なので、橋上駅化が計画されている。
そして、世界貿易センタービルと文化放送メディアプラスを結ぶ跨道橋や、汐留とを結ぶペデストリアンデッキ、あるいは東京ポートシティ竹芝との間の歩行者デッキと、港区が整備する東西自由通路を介して結ばれる予定である。
さらに東京都の離島航路が発着する竹芝客船ターミナルや、ゆりかもめ竹芝駅まで、自動車交通にわずらわされない歩行者ルートができあがる。浜松町は、山手線でいちばん海に近い駅でもあるのだ。
JR東日本は複合施設「WATERS takeshiba」の一角に、「竹芝地区船着場(ウォーターズ竹芝前)」を整備し、2020年6月19日より、浅草などを結ぶ定期航路の発着が始まった。JR浜松町駅北口からは歩いて5〜6分ほど。浜松町は海へ向かっての発展も期待できる交通結節点となりつつある。ただ、ここは横断歩道を渡ってのアクセスとなる。
一方、浅草やお台場方面への水上バスが発着する日の出桟橋の最寄りJR駅も浜松町なのだが、こちらは歩いて行くと少し距離がある。桟橋へは、ゆりかもめ日の出駅が近いが、浜松町ビルディングの裏手にも当たるので、こちらにも浜松町駅南口から快適な歩行者ルートが構築されないものか。
浜松町の未来は明るいのか
こうして書いていると、浜松町の未来は明るいように思える。各社が描く青写真通りに進めば、それは間違いなさそうだ。ただやはり、浜松町には駅が設けられないJR東日本の羽田空港アクセス線へ、どれほど東京モノレールから旅客が移るかがカギであろう。
その分、ほかの公共交通機関とのさらなる協調が必要になってくる。空港アクセスではライバルだが、都営地下鉄とJR東日本との連携も重要だ。大江戸線大門駅には2000年の開業時から「浜松町」と副駅名がついていたが、浅草線の駅にも、ようやくだが、2021年2月から浜松町の副駅名が使われ始めた。よい傾向だと思う。
いったん閉鎖され再開発後に戻ってくるバスターミナルへ、どれだけの路線を集められるかも注目したい。都バスや定期観光バスの乗り入れ、あるいは水上バス乗り場をめぐるアクセスバスの設定などがあっても面白い。
他の地区にはない有利な立地条件を持っているだけに、かえって鉄道だけでは考えづらい。それが、浜松町という場所の特徴でもある。
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