「電動キックボード」普及に向けた高いハードル 次世代モビリティとして受け入れられるか
「コロナ禍において、マイクロモビリティのニーズが社会に相当あったということが確認できた」。特例措置を受けた1社、Luup(ループ)の岡井大輝社長はサービス開始後をそう振り返る。
Luupは国内の電動キックボードの事業における草分け的存在だ。2020年、小型電動アシスト自転車のシェアサービスを始めた同社は、今回の電動キックボードのシェアリングサービスに参画し、4月下旬に都内6区で、5月には大阪市で、それぞれ電動キックボードの貸し出しを開始した。料金体系は、初乗り10分で110円、それ以降は1分当たり16.5円(税込み)となる。
サービス開始時に100台を設置し、随時機体数を増やしていくが、6月時点でユーザーからは「機体が足りない」という声が出ているという。
安全性の課題をクリアできるか
シェアリングサービスの企業にとっても、電動キックボードの安全性は避けては通れない課題だ。Luupが展開するサービスではアプリでユーザーを登録する際、登録者の運転免許証を必ず撮影しなければならない。アプリ起動時、「安全上の注意」と題したメッセージが表示させることもある。電動キックボードの歩道走行や車道逆走は警察の取り締まりの対象であることを周知する。
また、今回の実証実験では機体に速度制限を設けた。市販の電動キックボードの中には時速30キロメートル出る機体もある。今回のシェアリングサービスで使用される機体は最高時速が15キロメートル。これは自転車に近い速度で、住宅街の道路の走行をする場合、歩行者にも配慮した速度と言えそうだ。実際、Luupのサービス利用者が大きな事故を起こしたケースは7月時点、ないという。
10月末まで続く予定の実証実験を終えた後、各事業者は実験結果を国に提出する。これをもとに、行政が道路交通法などの法改正を検討する。
電動キックボードが浸透するには導入時点において、安全な乗り方を周知することが欠かせない。今回の実証実験を通じ、安全面にも配慮したルール整備ができるかが、電動キックボード普及へのカギとなりそうだ。
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