雑談や「何もしない」休憩で生産性が向上する訳 精神科医が教える「幸せになるための時間術」

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『TIME SMART』では、そういう時間に余裕がない人を「タイム・プア」、余裕がある人を「タイム・リッチ」と呼んでいます。こうやって、時間に余裕があるかどうか、自分のための時間があるかどうかを概念としてはっきり示すと、非常にわかりやすくなると思います。

いまの学生さんには、「毎日、楽しいことがない」と、ツイッターでつぶやいている人が大勢います。でも、学生さんは、お金はなかったとしても時間はある。その時間を幸せに変えていくことはいくらでもできるはずです。たとえば、1000円で食べられるおいしいランチの店を探してみてもいい。あるいは、本を読むなどして、いくらでも自分で勉強できる。

『TIME SMART』は、タイム・プア、タイム・リッチという概念を使うことで、時間があるということは実は幸せであり、時間がないということは不幸せなんですよ、ということをわかりやすく言っています。

緩急をつけることが大事

では、仮に時間に余裕ができたとして、少しでも自分の時間が持てたとして、さあ何をするか。

この本で提案されていることの1つは、「何もしない」ということです。これはとてもよいと思います。人はなかなか「何もしない」ということができず、何かしていないと落ち着かない。『TIME SMART』では、「手持ち無沙汰の嫌悪」という言葉が使われています。

多くの人は、何もしないで過ごしていると、すごく損をしたような、マイナスの気分になってしまいます。いつも、せき立てられた感じになっている。しかし、働くときは一生懸命働き、休むときは休むと、緩急をつけることがとても重要です。しっかり休まないと、神経がすり減って体も疲れ、メンタルの病気や体の病気の原因にもなってきます。

現代の人たちは、みんな基本的に疲れています。脳が疲れている人も多い。脳疲労の人がいちばんやるべきことは、お風呂に入ったりして、ぼーっとすること。何もしない。あるいは、子どもと遊んだり、奥さんや旦那さんとおしゃべりをしたりして、コミュニケーションをとる。仕事中の休憩なら、同僚と雑談をする。本当にくだらない話とか、笑い話とか、そういう仕事とまったく関係ない話のほうが気分転換効果が高いという研究結果も出ています。

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