イェール大で超人気「幸福論の授業」で教わる事 3年で330万人以上が登録した「伝説の授業」
「心理学とよい生活」と呼ばれるイェール大学における幸福論の授業(正式には「Psyc 157」で知られている)は、同大320年の歴史の中で最も人気のある授業の1つだ。
この授業は、2018年春学期に一度だけ、1200人収容できるキャンパス最大の講義場で対面授業を行ったことがある。
ロックダウンで受講者が急増
同年3月、コーセラ(Coursera)で公開された10週間の無料版「幸福の科学(The Science of Well-Being)」は瞬く間に人気を博し、何十万人ものオンライン学習者が集まった。さらに、丸2年が経過した昨年3月にロックダウンが始まると、受講者数は急増し、現在までに330万人以上が登録している。
イェール大学の心理学教授で、同大学のシリマン・カレッジの学長であるローリー・サントスは、パンデミックを受けての人気について、「クラスを受講する人の数は8倍になった」と語る。
「手を洗う、社会的な距離を置く、マスクを着用するなど、身体的な健康を守るために何をすべきかは誰もが知っている」とサントスは話す。「しかし、人々は精神的な健康を守るために何をすべきか悩んでいた」。
コーセラのカリキュラムは、サントスがイェール大学で教えていたものをアレンジしたもので、学生には、睡眠パターンの追跡、感謝の日記、不定期的な思いやりのある行動などを求め、これらの行動が全体的な気分のポジティブな変化と相関しているかどうかを、時間をかけて記録していく。
マサチューセッツ州で在宅介護助手をしているグレッチェン・マッキンタイア(34)は、サザンニューハンプシャー大学のオンラインプログラムで心理学の学士号を取得するために勉強している。8月のロックダウン中の空き時間を利用して、マッキンタイアはイェール大学のクラスを受講した。彼女はその体験を「人生を変えた」と表現している。