イェール大で超人気「幸福論の授業」で教わる事 3年で330万人以上が登録した「伝説の授業」

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「1日の終わりに感謝の気持ちを書き始めると、当初は1日の終わりにしか考えなくても、ルーティン化すると、1日中感謝することを考えるようになる」と彼女は語る。

感謝の気持ちを持つことで、幸福感が増すという研究結果もある。

イギリスのノッティンガム大学でフランス研究の講師をしているエワ・シプラ(37)は、数年前に博士号を取得するために勉強して以来、自己啓発の方法に興味を持つようになったと語る。「学習も2年目、3年目になると、どこかで少し燃え尽きてしまったと感じることがあり、それに対処するための戦略が必要となる」と彼女は語る。

自分に使う5ドルと、ほかの人に使う5ドル

サントスがカリキュラムの中で行った小さな研究で、632人のアメリカ人を対象に、5ドルを受け取って自分のために使うのと、同じ5ドルを誰かほかの人のために使わなければならないと言われるのとでは、どちらが幸せを感じるかを予測するというものがあった。

この調査では、人々はお金を使わずに保持してもよければ、それが最も幸せになれると予測した。しかし、参加者はその後一貫して、実際に誰かほかの人のためにお金を使ったほうが満足感を得られたと報告している。

シプラは、妹の誕生日に、新しい知識を組み合わせて実践的な実験をする機会があった。「そのときの嬉しさは、数カ月経った今でも続いています」とシプラは語る。

受講したすべての学生が変容を感じるわけではない。イェール大学4年生のマット・ナデル(21)は、2018年にキャンパスでこのクラスを受講した1200人の1人だ。ナデルは、2017年の秋に大学に入学したとき、イェール大学の厳しさに、合わせるのが大変だったと語る。

「私はストレスを感じていたが、それをコントロールする方法がよくわからなかった」とナデルは振り返る。

ナデルは、このクラスが、祖母から受けるアドバイスの域を出ないものだったことに失望したと語る。つまり、十分な睡眠と水分を取り、最善を尽くすこと、ということだ。

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