雑談や「何もしない」休憩で生産性が向上する訳 精神科医が教える「幸せになるための時間術」

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当たり前のように思える「時間の大切さ」。その本当の意味とは?: メディナス / PIXTA(ピクスタ)
ハーバード・ビジネススクールのアシスタントプロフェッサーにして、心理学者のアシュリー・ウィランズが書いた『TIME SMART(タイム・スマート)』。効率性一辺倒ではない、異色の時間術の本だ。「お金より時間が大事」「生産性向上はタイム・リッチ(時間的に裕福な状態)から」「まず、健康で幸福な生活を送る、その後、生産性・創造性が上がる」と説く。もちろん、心理学者だから、科学的な調査、統計データでその主張を裏付ける。
『学びを結果に変えるアウトプット大全』『精神科医が教えるストレスフリー超大全』などベストセラーをもち、日本一情報を発信する精神科医、樺沢紫苑氏はどう読んだのか。

高収入でも幸せそうでない人たち

世の中でいちばん大切なもの、それは時間です。お金や健康や、つながり、愛、承認など、ほかにもいろいろ大切なものはありますが、やはり大切なのは時間だと思います。時間があれば、働いてお金を稼ぐこともできるし、彼/彼女とデートをしてもっと仲良くなることもできる。ジョギングをして、健康を手に入れることもできる。つまり、時間はあらゆるものに置き換えることが可能なのです。

『TIME SMART(タイム・スマート)』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

私が『TIME SMART』を読んでまず共感したのは、この「時間の大切さ」について語られていること。今年『精神科医が見つけた3つの幸福』(飛鳥新社)という本を出版したのですが、そこでも時間の大切さについて書いています。とても考え方が近いな、と思いました。

「時間は大切」というと当たり前のように聞こえるかもしれませんが、実はその本当の意味に気がついていない人がとても多い。

私の周りの経営者や社長さんなどを見ていると、その生活ははっきりと2通りに分かれています。1つめのパターンは、毎日、夜遅くまで仕事をし、週末も忙しく働くパターン。もう1つは、週末は家族と食事をするなど、余裕をもって人生を謳歌するパターンです。週末まで働いている人たちは、もちろん成功して、何千万円も年収があって、Facebookでは忙しさを誇るような投稿をして、自分では満足しているのかもしれません。でも、どうしても幸せそうには見えないんです。

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