世界各国の外貨準備は「ドル離れ」が続いていく デジタル人民元、ユーロ共同債など材料も多い

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長期的なドル離れが進んでいる(写真:Bloomberg)

6月30日にIMF(国際通貨基金)から公表された外貨準備の構成通貨データ(COFER)は引き続き世界の金融当局における運用が「ドル離れ」の方向にある事実を示唆するものだった。世界の外貨準備は2021年3月末で12兆5706億ドル、前期比ではマイナス1282億ドルで、4期ぶりに減少した。

今年1~3月期といえば、アメリカの金利とドルの騰勢が目立った時期であり、期末と期初を比較するとアメリカ10年金利は0.90%から1.70%へ、名目実効ドル相場(NEER)はプラス1.8%と大幅に上昇した。その分、非ドル通貨建ての外貨準備が価格効果もあって目減りしたと推測される。

実は過去最低だった2020年12月末のドル比率

2020年12月末にはドル比率が59.02%と1995年12月末の58.96%以来、25年ぶりの低水準をつけたことが大いに話題となり、筆者も『世界の外貨準備運用でドル離れが進んでいる』で詳しく議論した。だが、今回のIMFの発表では2020年12月末の59.02%は58.94%へ下方修正されて、統計開始以来最低だったという話になった。今期のドル比率はそこからプラス0.60%ポイントの59.54%まで戻したものの、2020年12月末、1995年12月末に次いで過去3番目に低い水準にとどまる。

1~3月期の若干のドル比率上昇はほぼユーロ比率下落と裏表で、ユーロ比率は前期比マイナス0.71%ポイントの20.57%まで落ち込んでいる。この間、ユーロドル相場は1.22から1.18までマイナス3%以上下落したため、ユーロが売られたという数量要因ではなく、価格要因だけで比率が動いたものとみられる。次に低下幅が大きかったのが円比率であり同マイナス0.15%ポイントの5.89%まで低下している。ユーロ同様、この間のドル円相場はプラス7%以上上昇(円は下落)しているので、やはり価格要因で比率が動いた可能性が高い。

(外部配信先ではグラフを閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)

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