クリス・ヒューズ、若きミリオネアの野望 オバマを大統領にした、ソーシャル界のレジェンド

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歴史・文学専攻のヒューズ氏は、いわゆるウェブ開発やエンジニアリングには関心がなかった。そこで、2004年2月、ザッカーバーグ氏に次ぐ社員としてフェイスブックに入社した同氏は、広報やカスタマーサービス、製品開発を担当。2007年、オバマ陣営に加わるために同社を後にするが、ざっと5億㌦(約493億円、『ニューヨーク・タイムズ』2013年7月10日付)を稼ぎ出した。

ちなみに共同創業者としてプログラミングを担当したのは、やはりハーバードのルームメイトだったダスティン・モスコビッツ氏(30)だ。現在はシリコンバレー在住のIT起業家として、ソフトウエア系ベンチャー「アーサナ」の創業者・CEOを務める。総資産は78億㌦(約7700億円)。文字どおりの「ヤングビリオネア」である。2011年には、米フォーブス誌が選ぶ40歳未満の「世界長者番付」で、ザッカーバーグ氏を抜き、トップの座に輝いた。全年齢層対象の「世界長者番付」でも、7月27日現在、179位にランクインしている。

パートナーもミリオネア

左がクリス・ヒューズ氏、右がショーン・エルドリッジ氏(写真:The New York Times/アフロ)

ヒューズ氏に話を戻すと、2012年に結婚(同性婚)した公民権運動家で投資家のショーン・エルドリッジ氏(27)も、ヒューズ氏には及ばないものの、何百万㌦もの資産を持っている。今年11月の中間選挙では、ニューヨーク州の地方選に打って出る予定だ。活動家として、同州の同性婚合法化(2011年)に尽力したことでも知られる。財力も野心も、まさに新世代のビッグカップルというべきか。

ヒューズ氏は、貧困問題やチャリティーにも関心が深い。2010年には、非営利組織(NPO)や慈善団体、慈善プロジェクトとユーザーを結びつける社会起業系NPOソーシャルネットワーク「Jumo(ジュモ)」を立ち上げ、話題になった。

翌年、別のメディア企業と合体し、現在、同サイトにはかかわっていないが、12年からは、チャリティー系ネットベンチャー「GiveDirectly(ギブ・ダイレクトリー)」の理事も務める。ユーザーがサイトを通して、ケニアとウガンダの貧困世帯の携帯電話に直接寄付できる仕組みだ。発展途上国の組織などがこうした寄付金を受け取る事務コストを削減できるよう、現地の物流管理技術の開発を行う新たなベンチャーも計画中だ。

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