新興3社が覇を唱える中国ネット界、日本市場をも巻き込む競争に

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 ちなみに日中と文化的に近い韓国には、アリババもサイトを展開せず、百度も検索サービスを提供していない。QQの国際版でも韓国語には非対応(英仏日に対応)だ。中国のネット企業にとっては、日本市場がとりわけ魅力的なようである。

阿里巴巴と百度が立て続けに日本のオンラインショッピング市場に間接的に参入したが、残る騰訊も日本市場を狙っていて当然だし、騰訊が日本のネット企業とすでに交渉に入っていても何の不思議もない。
 
 今、中国オンラインショッピングサイト企業は、日本のビジネスモデルを模倣し、日本のサイトと提携したがっている。中国のオンラインショッピングサイトはまだまだ多数あり、これらの企業にとって、ヤフーや楽天以外の日本のオンラインショッピングサイトは魅力的なパートナーに映っていることだろう。
 
 また、オンラインショッピングだけでなく、中国ネット業界は、1社が日本に進出すれば、他社も負けじと日本市場に進出しようとする。逆に、中国のネット市場を狙う日本企業から見れば、中国ネット企業の日本進出の動きを見て、提携のアプローチをかける絶好のチャンスと言えそうだ。

やまや・たけし
中国内陸部在住のIT専門ライター、中国のIT事情を中心に取材・執筆。著書に『新しい中国人 ネットで団結する若者たち』(ソフトバンク新書)

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