新興3社が覇を唱える中国ネット界、日本市場をも巻き込む競争に
結果的にはどのサイトもほとんど同じサービスを提供しているが、これらのサイトが新サービスを提供した際に、知名度があり多くのネット利用者がすでにユーザーIDを持っているサイトであるために、他の新興サイトと比べて多くの顧客を引き寄せることに成功している。
さてこの争いは中国市場にとどまらず、日本市場をも巻き込み始めている。
阿里巴巴は、「アリババ」という日中をまたいだ卸売りオンラインショッピングで日本に進出した。百度も日本に検索サイト「百度(バイドゥ)」を投入したばかり。騰訊も日本向けに限定したわけではないが、日本語に対応した多国語版QQを既に提供している。
そして、この6月にも日本のヤフーと阿里巴巴傘下の「淘宝網(TAOBAO)」が提携、日本で中国の商品が、中国で日本の商品が相互に購入できるようになる。アリババはソフトバンクが大株主(持ち分法適用会社)、ヤフーは同子会社で、もともと両者は密接な関係にある。
ソフトバンク連合の発表に先駆け、1月には百度が楽天とオンラインショッピング事業で提携すると発表。日中両国を舞台に「ソフトバンク=阿里巴巴連合」対「楽天=百度連合」という構図が成立した。
「日本市場が大きい」「中国市場が飽和ぎみである」という理由以外にも、中国企業が日本に積極的に進出する理由はいくつかある。
セキュリティソフトやオフィスソフトで日本市場に進出したキングソフト(金山軟件)は、「日本市場に海賊版が少なく、日本人の消費者は金払いがいいこと」を日本進出の理由に挙げている。
また百度は「日本の文字が中国の文字と同じ2バイト文字(全角文字)であり、中国での技術力を展開しやすい」ことを理由の一つに挙げている。