「語彙力軽視」の人がわかっていない英語習得の肝 単語・熟語クイズで自分の「力」をチェック!

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さて、ここまで単語や熟語、イディオムなどについて、大学受験水準以上のものが必要であるということを強調してきました。とはいえ、受験参考書ではこのレベルは対象外になるため、語彙力を強化しようと言っても、どういう単語帳を使えばよいのか、と悩む人も多いかと思います。

私のオススメは、豊富なバリエーションがある英語圏の単語帳を、好みに合わせて上手に使い分けることです。以下でいくつか代表的なものをご紹介しましょう。

1. Murray Bromberg & Melvin Gordon:1100 Words You Need to Know 6th edition (Barron’s Educational Series)
(『知っておく必要がある1100 の英単語』)

文章を読みながら、文脈の中で使われた単語の意味を考えつつ、覚えていくタイプの語彙力増強本です。文章を読むことが好きという人や、どうせなら読解力と単語力を同時に鍛えたいという人にオススメです。

2. Mary W. Cornog:Vocabulary Builder Newest Edition(Webster Mass Market)
 (『ボキャブラリービルダー』)

単語をパーツに分けて、それぞれの意味を解説しています。語源や形を知ることで、単語を覚えやすくする工夫と言えるでしょう。なるほどと納得できる発見もあり、単語の成り立ちや語源に興味のある人に向いています。

3. Word Smart(The Princeton Review)
 (『ワードスマート』)

思わず苦笑してしまうようなユーモアを取り入れた内容の例文が多く、印象に残るので覚えやすい1冊。

一例を挙げれば、esoteric「難解な、ごく一部の人にしか理解できない」という単語を扱った箇所では、The author’s books were so esoteric that even his mother didn’t buy any of them.「その著者の本は極めて難解なので母親でさえ1冊も購入しなかった」といった例文が当てられています。

日本語の説明が必要な人向けの書籍

日本語の説明のあるものが望ましいという場合、英検の単語対策本や、時事英文を意識して製作されたものを使ってみるのもよいかもしれません。

4.『でる順パス単(英検準1級 / 英検1級)』(旺文社)

英検準1級や1級対策の単語帳の定番です。大学受験用の単語帳には掲載されていないものの、新聞記事やニュース、小説やエッセイなどでそれなりに出会う英単語をカバーしているため、受験+αの語彙力を目指す際には適しています。無料音声ダウンロード付き。

5. 谷川幹著『ニュース英語が本当に解るボキャブラリー(科学・社会編 / 政治・経済編)』(アルク)
『英語の読み方』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

メディアでよく出てくる単語、熟語がバランスよく例文とともに掲載された単語帳です。一定数の単語を学んだ後、ワンパラグラフ程度のニュース英文を読んで定着度を確認できる作りになっています。

英検対策の単語帳に比べると網羅性ではやや劣りますが、文化的、社会的背景にまで踏み込んだ説明があるのが魅力です。

英語力の確認のために、筆者がつくったクイズは他にもあります。こちらのサイトでは、拙著『英語の読み方』に出てくる英文を基にしたクイズ20問を用意しています。「肩慣らし編」と「上級編」を用意しているので、ぜひチャレンジしてみてください。

北村 一真 英語学者

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きたむら かずま / Kazuma Kitamura

1982年、兵庫県生まれ。慶應義塾大学大学院後期博士課程単位取得満期退学。学生時代に大学受験塾にて英語講座を担当。滋賀大学などの非常勤講師を経て杏林大学外国語学部助教。 2015年より同大学准教授、中央大学法学部兼任講師。著書に『英文解体新書』『英文解体新書2』(研究社)、『英語の読み方』(中公新書)など。

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