新体制のスズキが立ち向かうインド市場の激戦 そしてカリスマ・鈴木修氏は経営の一線から退く

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スズキの鈴木俊宏社長はインド市場の高いシェアをどう維持するか(記者撮影)

6月25日の株主総会をもって鈴木修会長は経営の第一線から退き、今後は修氏の長男である鈴木俊宏社長の下、「チームスズキ」で舵取りが始まる。

自動車業界は電動化や自動運転といった新技術で100年に一度ともいわれる変革期にある。どの自動車メーカーにとっても電動化対応は大きな課題だが、スズキにとってもう1つの重要な課題がインドだ。

スズキがインドに進出したのが1982年で、今や現地子会社のマルチ・スズキは50%近い圧倒的なシェアを持つ。インドが好調だった2018年3月期、営業利益の4割以上をインド子会社のマルチ・スズキが稼いだ。

SBI証券の遠藤功治企業調査部長は「日本市場は確実に縮小するので、いかに台数減を抑えるられるかの戦いになる。スズキは(シェアが小さい)東南アジアにも大きな期待ができない以上、インドだけが成長可能な市場だ。失敗はできない」と指摘する。

シェア50%割れという事態

そのインド市場で異変が起きている。2020年度、スズキの乗用車販売台数は8.5%減の129万台となりシェアは47.7%に低下。死守したいとしてきたインド市場でのシェア50%を割り込んだのだ。

この背景にあるのが、競争の激化と市場ニーズの変化だ。近年、インドの成長性に目をつけた長城汽車や上海汽車といった中国勢や、韓国の起亜自動車が相次いで参入。競争環境は以前よりも激しくなっている。今、インド市場ではSUV車の人気が高い。2020年度の一般乗用車の販売は前年度比で9.1%減だが、SUVは12.1%増だった。

このSUV需要を捉えているのが韓国勢で、起亜自動車は2019年に約150万円する中型SUV「セルトス」で参入し、2020年度は乗用車販売で6%のシェアを獲得した。現代自動車も中小型SUVの販売が好調で、現代自動車グループは乗用車販売で23%(2019年は20.5%)のシェアを確保した。

フランスのルノーもSUVに展開を絞っており、販売を伸ばしている。現地メーカーのタタモーターズも積極的な商品投入を行い、乗用車販売シェアで8.3%(同5%)を確保している。

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