日本人がほぼ知らない「格安保険」の最新トレンド テスラの自動車保険はなぜ「7割」で済むのか

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自動車保険においてもフィンテックにより、より安価な保険料が実現しています(写真:jetcityimage/iStock)
フィンテックは以前から将来的な市場拡大が期待されてきたが、2020年コロナウイルス感染拡大による"非接触型" ニーズから、イノベーションが加速している。
自動車保険においてもフィンテックにより、より安価な保険料が実現しています。例えば、テスラ保険は、既存の自動車保険よりも30%も安いです――『銀行を淘汰する破壊的企業』の著者であり、金融ビジネスとテクノロジーをつなぐベンチャー投資家である山本康正氏は言います。どういうことか、語っていただきました。

テクノロジーで保険が進化している

自動車保険のトレンドがめまぐるしく変わっています。

これまでは自動車保険の金額を算出する際には、走行距離やゴールド免許の有無といった免許のステータス、事故歴、自動車そのものの安全性など、これらの情報を申告者であるドライバーが紙の書類、あるいはインターネット型の自動車保険でも同じく、パソコン上に自身で記入していました。

つまり情報の正確性が、ここでも十分ではありませんでした。とくに距離です。年間の走行距離が何万キロなのか、正確な距離を把握しているドライバーはメーターを確認しなければほとんどいないと思えるからです。

さらに言えば、ふだんの運転の状況。具体的にはスピードを出すタイプなのか、逆に、つねに制限速度を守るタイプなのか。ブレーキの踏み方は適切か。出だしに急にアクセルをふかしたりしないか。もっと言えば、オイルやタイヤなど消耗品類は定期的に交換しているか、車体のメンテナンスはしっかりと行っているか、など。

自動車ならびに運転状況に関するデータが詳しくかつ精緻に取得できるほど、より詳細な保険となることは明白です。そして今の自動車、正確には1996年以降に製造された自動車にはすでにこのようなデータを取得できる仕組みが備わっています。

「OBD2ポート」という仕組みで、もともとは車検に使う仕組みです。このポートにネットワークにつながるIoTデバイスを装着すれば、先述のデータがタイムリーかつ、車から離れた場所でも取得することができます。

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