アマゾンと並ぶ「巨大銀行」へ向かうアントの威力 銀行業界を飲み込む"もうひとつの強大な力"
世界最速で金融のデジタル化を推進する中国企業
アントは、中国企業です。もともとはアリババグループのEC、金融関連の事業ならびにテクノロジーまわりを開発していた、いわゆる社内ベンチャーのような位置づけでした。
アリババのECサイトが急激に拡大したことを受け、新たなサービスを開発。そうして生まれたのが、QRコードで簡便に決済ができるアリペイです。
アリペイはアリババのECサイトに限らず、屋台での決済など、中国の人々の暮らしのあらゆる決済シーンに普及していきました。その結果、社会全体のエコシステムとして広めようとの機運が高まります。
こうして「アント・グループ」として派生し、さらなる成長を続け現在に至ります。社内ベンチャーをスピンアウト(分離独立)して成功した事例です。アリババグループはほかにも同様の社内ベンチャーを持っています。
アントの特徴は、やはりアリババグループであり多くの販路を最初から持っていることです。もう1つ、中国企業であることも重要な成長ポイントです。
アリババはアリペイ以外、資産運用、ローン、保険など、多くの金融サービスを手がけていますが、グループ企業のアントは、これらの事業をアリペイで集めたキャッシュならびに、同じくアリババグループのECサービスなどで得たデータとひも付け、最大限活用しているからです。プライバシーの問題が出てこないことは中国ならではです。
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