ふくよかな49歳男性が32歳女性と結婚できたワケ 出会うのは驚きの要求をするアラフォーばかり

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人間は、男女ともに本当に人を好きになったら、冷静な駆け引きなどできなくなる。

恒夫が付き合っていた中に、交際がかなり順調だった里美(39歳、仮名)という女性がいた。いいお付き合いが進んでいたので、「僕は、里美さんのことを真剣に考えているし、これからのことを具体的にしたいです。上京するので、会える日程はありますか?」という恒夫のメールに、こんな返信が来た。

「具体的な結婚の話は、まだできないけれど、会うだけなら東京ドームに行きましょうよ。巨人グッズのお店を見てみたいです」

里美もこれまでのデートで、まったくお財布を開かなかった女性なので、“私に会いたいなら、デートで私に巨人グッズを買ってください“と言うことなのだろう。このときはさすがに恒夫も呆れ果てて、上京を取りやめ、交際終了を出した。

太っている男性は敬遠される?

そして、恒夫の婚活を難しくしている3つ目の要因は、見た目だった。入会面談に来たときから縦横に大きな巨漢だったが、会うたびにふくよかになっていった。ふくよかな体型の男性は、おしゃれにも気を遣わない。

あるお見合いを終えたときに、女性の相談室から、こんなお断りのメッセージがきた。

「遠方から出向いていただいて、お土産までいただき、本当におやさしい方なのはわかりました。ただ体型がお写真の二倍くらいあって、シャツのボタンが弾け飛びそうでした。そこがどうにも気になって、話に集中できなかったというのです。太っているのは、健康にもよくないですよね。今回はご縁がなかったようです」

私は、このメッセージを恒夫に伝えて、こう言った。

「私も、面談で会うたびに恒夫さんの体型がふくよかになっていると感じていたの。思い切ってダイエットしませんか? 目鼻立ちの整ったお顔なのだから、20キロ痩せたら、恒夫さんの婚活は劇的に変わりますよ」

しかし、恒夫はのんびりした声で答えた。

「いや〜、こちらにお世話になったときから、体重は変わっていないんですよ。アレなんです。僕は、便秘症なんです」

私の言葉は響くことなく、いっこうに痩せる気配はなかった。ただお見合いを申し込むガッツだけはあったので、毎月サイトから30近いお申し込みをかけて、その中の1つか2つが受諾されると、また全国へとお見合いに出向いていた。

中年太りを放置している婚活男性に言いたい。巨漢体型を好む女性もいるが、それは少数派だ。ほとんどの女性が太っているよりも痩せている男性を好む傾向にある。太っている男性は、中年になっても体型をキープしている男性よりも、まずはお見合いが組みにくいと思っていたほうがいいだろう。

次ページそして、4月に入り…
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