そして、彼がため息まじりに言った言葉が、「40代で独身の女性は、キャラが濃い」だった。
仲人の経験則からで言えば、アラフォー女性たちは、20代、30代前半の女性たちよりも、結婚相手を見る目が、厳しい。ことに、男性並みの年収を稼いでいる女性は、年齢は年下からプラス5歳くらいまでと限定している人が多く、歳が10以上離れている50代の男性とは、見合いをしたがらない。彼女たちは、1人でも自活して生きていける経済力がある。でも、これからの人生を1人で生きていくのは寂しい。できることなら、結婚をして最後のチャンスに子どもを授かりたいと願っている。そんな彼女たちに、“妥協“の文字はない。
私は、入会面談にやって来たこの世代には、男性にも女性にも、「 “子どもを授かりたい“という婚活は、非常に厳しいですよ」と告げている。
年収が高いのに、婚活を難しくさせる要因
恒夫は、年収も高く自営業なので定年もない。会社のほかにアパート経営もしていたので、これから子どもを授かっても育てていく経済力は、十分にあった。ただ、婚活を難しくさせる要因が、3つほどあった。
1つは、住んでいる場所だ。地元で会社を経営しているので、その島に嫁いでくれる女性が候補者となる。島の中でも探していたのだが、島の女性の結婚は早い。また、島から本土へと進学や就職で一旦出てしまった女性は、島に戻って暮らすことを希望しない傾向にあった。なので、結婚の対象となる女性の人数が極めて少なかった。
恒夫は婚活を始めるや、飛行機に乗って、全国どこにでも見合いに出向いていた。しかし、なかなか交際希望がもらえず、また交際になったとしても、2、3度デートを重ねると、交際終了が来ていた。
女性に会いに行くときには、必ずお菓子や地元の名産品などのお土産を持ち、デート代は全額支払う。2人で食事をするレストランは、ある程度値段の張るところを選ぶ。こんなふうに男性の気前がいいと、女性の中には出してもらうのが当たり前になり、さらに欲しいものをねだってくるような人たちがいる。
昨年の初めに付き合い出し、結婚直前まで行った洋子(37歳、仮名)が、そうだった。最初のうちは、結婚にとても前向きな様子だったので、恒夫は足繁く東京まで、デートに通っていた。
しかし、昨年はコロナが日に日に蔓延していき、4月に入って、緊急事態宣言が出されて、東京に行くことができなくなった。これまで築いてきた関係が壊れてしまうことに危機感を感じた恒夫は、メールのやり取りを絶やさないように日々頑張っていた。すると、ゴールデンウィークに入る少し前に、こんなメールが洋子から来た。
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