ブロード織りのワイシャツ以上に、洗濯後のからみ織りは縮みます。通気性がいい生地だからこそ、ギュッと目が詰まるのです。ピタッとしすぎたサイズ感は失敗する可能性があるため、縮みを想定しながら試着するのがいいでしょう。
またシャツの袖詰めをする場合、自宅に持ち帰り一度洗濯した後、検討することをお勧めしています。「綿100%の生地が洗濯で縮む」という話はシャツ選びの基本ですが、からみ織りの縮みは想像以上だからです。
また試着する際、いすに座った状態でお腹まわりの確認をすることをお忘れなく。立っているときスッキリ見えたとしても、座ったときお腹が張ります。とくに加齢による体形変化が顕著な方は注意が必要です。
シャツボタンとボタンの間にシワが寄っている状態では、どんなにシャツが凛としていても、違和感を拭うことはできません。
この16年で変化した「シャツの正解」
ノーネクタイを前提としたシャツのあり方も変貌を遂げました。草創期の2000年代は「デザインある襟裏」や「色がついたボタン」など、いわゆるシャツにアクセントをつけることで、差別化を図っている風潮があったようです。
その後の東日本震災やコロナ禍を経て、「背伸びをしない等身大の格好が受け入れられる」時代に変貌を遂げているように私には見えます。この思考はクールビズのシャツに当てはまります。装飾ではなく、生地感や構造上のパーツなど、表面的には見えづらい部分に価値が置かれているのではないでしょうか。
そういう意味では、生地感や前立てのみならず、ボタンダウンからの脱却も選択肢の1つかもしれません。クライアントのビジネスマンから「カジュアルに見えるボタンダウンは苦手!」という声もよく耳にします。
そんなとき「襟裏にスナップボタンを付ける」という裏技を、私はおすすめしています。プラス1000円程度で「襟の裏側にボタンを付ける」お直しです。お直し専門店やセレクトショップ・百貨店の紳士服売り場では、ほぼ100%受け付けていますし、紳士服量販店であってもメーカーによっては受け付けています。
大事なことは、第一ボタンの開閉によって、シャツ選びの法則は変わるということ。そして第一ボタンを開けることを前提とした場合、「からみ織り」の「ワンピースカラー」こそ最適解です。
襟下の生地がクシャっとするあのストレスを完全に解消し、同じように見える白シャツ姿をエレガントに見せる姿はカッコいいものです。
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